軽井沢ゲストハウス&オフィス(2007年取材)
オーナー様インタビュー
オーナーのSさんは、かつて3軒の注文住宅をお建てになった経験をお持ちです。「これまでの家は広さや間取り、デザインなどを重視してきました。ところが、今回スウェーデンハウスに出会って、性能という価値の大切さを知りました」。知人の方から「真冬に玄関やお風呂まで暖かい家がある」と聞いたことが出会いのきっかけだったとか。「軽井沢の自然は好きですが、寒さが嫌でした。そこで、スウェーデンハウスを調べてみると、基本性能から実際の住み心地まで全く違ことに驚きました。そう、初めてヨーロッパの高級車を運転したときのようなカルチャーショックで。これなら軽井沢でも快適なゲストハウス&オフィスがつくれると確信しました」。
「建物を魅力的に見せるには庭が重要」とSさんはお考えになりました。そこで別荘地を2区画購入し、道路から一番奥まったところに建物を配置。門から建物までのアプローチと庭を楽しんでもらえるように配慮しています。
アスファルトのアプローチが自然と調和するよう、女性的なやさしい曲線を意識されたといいます。ロータリーは自動車がスムーズに回転できるように、オーナー自ら何度も車を走らせてベストな設計に。
ワイドでなだらかなポーチ階段。オーナーがホテルや旅館などを訪れるたびに、階段の蹴上げの高さや踏面の奥行きを計り、心地よい寸法を導き出して、設計に反映させたそうです。
軽井沢ゲストハウス&オフィスは、できるだけ空間を仕切らない間取りが特徴。玄関からのびやかな吹抜けが取材班を迎えてくれました。来客数を10名から40名と想定してプランを描いたといいます。
エントランスホールは2階とも一体感のあるのびやかな空間デザインに。
北欧パイン材の香るティールームは、12人がゆったり座れる広さを確保。天井高は2.7mとゆとりある高さ。
ティールームとオープンにつながるリビング。
この大空間でも軽井沢の寒さに影響されず、いつでも春のように自然な心地よさに包まれるそう。
もともと静かな軽井沢ですが、スウェーデンハウスの優れた遮音性によってさらに静寂な空間が叶ったそうです。「温度差が少ない上に、きれいな空気がよどみなく流れていて、とても静か。使い始めてから、ここは瞑想空間としても最適と感じました」とSさん。「ピアノの音がよくなったことも実感してます」と奥様。
暖炉の炎と豊かな緑に癒されるそう。
静かなことに加え、天井の高さや空間の広さ、木質パネルなどによって音響的にも優れた空間が生まれます。
2階のオフィスは、事業の発想を膨らませたり、瞑想に耽る空間として活用されています。床の青いマットは合氣道の稽古用に敷いてあるもの。
オーナーのSさんは、よく講演などに出かけて全国のホテルを利用されるそうです。また海外のホテルの利用も多く「ゲストハウスをつくる上でホテルから学んだことは多い。ただ、この建物でどんな一流ホテルにも負けないのが、空気のすばらしさ。どうしても鉄筋コンクリートの建物はムッとしたり、空気が淀んでいる感じがするんですね。ところが、わがゲストハウスは四季を通して温度も湿度も鮮度もベストにコントロールされています。特に、朝目覚めた時のさわやかさは、軽井沢でもベストシーズンの森のよう。ゲストからもよろこばれています」。
ゲスト用の宿泊ルームを2部屋用意。各部屋間やホールとの壁には 防音対策を施すなど、プライバシーにも配慮しています。
宿泊ルームにはホテル仕様のバス・トイレが。「歯を磨く時にトイレに足が触れないかなど、コンパクトな中に細かな工夫を盛り込みました」
エントランスホール北側の大きなフィックス窓からも豊かな森が楽しめます。料亭の中庭を望む窓を参考にしたそうです。
1階メインのパウダールーム。ゆったりしていて女性のお客さまに好評とか。
額縁のような木製サッシ3層ガラス窓は、軽井沢の森を風景画のように引き立てていました。優れた断熱・気密性を活かして、北側にも大きな窓が設けられるので、全館で自然を身近に感じることができます。
暖炉のコーナーとデッキをつなぐのは大型のスライディングドア。デッキには毎朝リスたちがやってきます。
縦長の窓を連続させることで、個性的な窓辺を演出。
北側のキッチンにはワークトップと吊り戸棚の間に収まる横長の窓を採用。
バスルームからの景色も抜群。大きな窓を開け放せば、ちょっとした露天風呂気分。