お茶にしよう
いつの間にか増えてしまったスパイスを整理していたら、ご近所さんが訪ねてきた。
旅行に行っていたとくず餅を携えて。ちょうどいい。お茶にしよう――散らかったままで申し訳ないけど、座って、座って。
日本茶でいい?カップはどれにする?私はいつもの湯呑で。
気の置けないご近所さんとのお茶の時間は、楽しすぎてあっという間。ああ、これがフィーカなんだね。
お茶を飲んでおしゃべりをする。それだけのことなのに、私はその日一日ずっと元気で、ご機嫌だった。
“いつでもどうぞ”の家
暗く長い冬を家の中で過ごすスウェーデンの人々は、家族や友人が心地よく過ごせるようにと、椅子やクッションを整えて、お菓子を用意し、
食器やリネン類も気に入ったものを揃えておく。
シナモンロールに合う色のお皿は?ジンジャークッキーをたっぷりのせるのにちょうどいいサイズじゃない?
そろそろクリスマスのしつらえはどうかしら…
木の窓が教えてくれる季節の移り変わりに合わせて、部屋や食器をコーディネートすることを心の底から楽しんでいる。
訪れる友人に「最高の場所で、一緒にフィーカを楽しもうよ」とでも言うように、居心地よい空間を作り出すそのセンスは、さすが北欧。天才的だ。
わたしの“フィーカ”
いつもより素敵なカップを使ってお茶を淹れてみる。美しく咲いた庭の花を飾る。キャンドルを灯す。ただそれだけで「私」の心が豊かに満たされる…
一人ひとりがその過ごし方を楽しむフィーカの時間は、単にリフレッシュし、リラックスする「休憩」とは少し違う顔つきを持つ。その上で、更に豊かな何かに出合える場。
スウェーデンハウスでは、自分の愛する何かと向き合う場所を「フィーカ」と名付けている。ものづくりを楽しんだり、家族や友人と趣味について語り合ったり…あなたなら「フィーカ」でどんな時間を過ごすだろうか。
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スウェーデン語【メリー・クリスマス】
「天には栄光が、地には平和があるように。」
キリストの生誕を祝うクリスマスは、スウェーデンの人たちにとって、一年のうちで最も大切な行事です。 街はクリスマスマーケットで賑わいますが、買い物が終われば家路を急ぎ、家族で穏やかな時間を過ごすのが、伝統的なクリスマスシーズンの過ごし方です。 暗闇が深ければ深いほど、小さな光が輝きを増すように、長い冬を迎える北欧では、クリスマスは心に希望を灯す時。
「God Jul!」と笑顔で挨拶を交わしながら、愛する人たちに平和があるようにと祈ります。 -
スウェーデン語【バネ・外に走り出る】
18歳になると、スウェーデンでは成人の仲間入り。 6月に行われる高校の卒業式は、日本の成人式と同様に、明るいお祝いムードに包まれます。 卒業式はutspring(ウートゥスプリング:外に走り出る)と呼ばれ、社会へ飛び込んでいく第一歩。 「独り立ち」への喜びと大人になる緊張感を胸に、卒業生たちはお祭り騒ぎで街を凱旋します。 -
スウェーデン語【手仕事】
長い冬、家の中で過ごす時間が多いスウェーデンで、家庭内で行われていた「ものづくり」を指す言葉がスロイド(手仕事)です。 生活用品や衣類、インテリア、おもちゃ…オートメーションが進み、大量生産の世の中になった今でも、 スウェーデンの人たちは「自分でつくる」ことを 愛してやみません。心を込めて、時間をかけて、誰かのために… ずっと愛せるものをつくり出すことは、彼らにとってかけがえのない喜びなのです。 -
スウェーデン語【自然】
森と湖の国スウェーデン。
人々は「自然と共に」そして「自分自身も自然体で」
という思いを持って暮らしています。
自然はみんなのものであり、土地所有者の許可なく
自然の恩恵を共有できる「自然享受権」という
独特な権利も認められています。
生活の一部、生き方の基盤となるキーワードです。 -
スウェーデン語【サマーハウス】
夏を過ごす家—— スウェーデンのサマーハウスは、
日本の「別荘」とは少し様子が異なる。
日常の喧騒から離れ、生活の場を自分たちで
一つ一つ作り上げながら、自然の偉大さを感じ、
日々の生活に深く感謝する。ここで過ごす夏の時間は、
スウェーデンの人々の「生きる力」の源となっている。 -
スウェーデン語【窓】
スウェーデンの人たちにとって、
窓は単なる「開口部」ではない。 光あふれる短い夏と、暗く長い冬がめぐる暮らしの中で、窓は「太陽の入り口」となったのだ。
個性豊かに飾られた窓辺は、道行く人の目も楽しませ、街を、そしてスウェーデンという国を
美しく彩っている。 -
スウェーデン語【ちょうどよい・ほどほど】
ex:ほどほどが一番
ヴァイキングたちが一杯の蜂蜜酒を回し飲みする時に、
それぞれが自分にちょうどよい量を飲んで分け合った
“Laget om(ラーゲット・オム)=仲間と分け合う“
という言葉が語源とも言われる。
多すぎず、少なすぎず、自分に合った物や量を良しとするスウェーデンの哲学を表す言葉。 -
スウェーデン語【お茶の時間、お茶をする】
ex:お茶にしませんか?
スウェーデン独自のコーヒーブレイク。コーヒーを
意味するKaffeがひっくり返ってFikaになったと
言われている。コーヒーと一緒に軽いパンやお菓子
がセットになることが多く、スウェーデンの人々が
大事にしている、心を通わせ合う時間。もちろん一人
でのフィーカもOK。 -
スウェーデン語【心地良い場所・空間・時間】
ex:ああ、ミューシグだね。
のんびりと、心地よい状態を指します。一人でも、
親しい人と一緒でも、自分の気持ちに素直になって、
心の底からリラックス。スウェーデンの人々が大切
にしている、暮らしのキーワードです。