優しい光を

優しい光を

スウェーデンの人たちが“ミューシグだなあ”と感じる時、そこには優しく、おだやかな光がある。
焚火、キャンドル、薪ストーブ…炎の周りで、巣に籠るような安心に包まれる。
今の日本では馴染みの薄くなってしまった風景だけれど、気軽に楽しんでみるなら、部屋の照明にちょっと工夫をしてみては?
手作りのコットンボール、白熱灯のランプ…
温かみのある間接照明を使えば、それだけでほら、心の振り子がだんだんゆっくりになってくる。

私のミューシグって?

私のミューシグって?

自分が好きなものやリラックスできるコツを、スウェーデンの人たちは良く知っている。
それも“ミューシグ“のヒント。お気に入りの椅子やラグ、クッションで出来上がる「自分の空間」で、本を読んだり、
おしゃべりしたり、ひとりの時間を楽しんだり…
自然体の自分を楽しみながら、知らず知らずのうちに気持ちをリセットできるスウェーデンの“ミューシグ”。
なんて豊かなんだろう。
私のミューシグ、自然体の私、ゆっくりと、楽しみながら探してみたい。

思いっきり深呼吸

思いっきり深呼吸

世界でもデンマークの“hygge(ヒュッゲ)”という言葉が話題になった。
ヒュッゲはミューシグよりも少し社交的で、アクティブな雰囲気を持つ言葉だけれど、概念的にとても似ている。
それはきっと北欧の国々に、共通した生活スタイルや哲学があるから。彼らは皆自然を愛し、それを上手に暮らしに取り入れている。
香りを楽しんだり、緑と話したり…
自然を生活に取り入れるのは、私たち日本人も得意とするところ。
ミューシグは、私たちにとっても身近な言葉に違いない。

ミューシグと脳科学

「思い切りリラックスした後にこそ、やりたいことが思い切りできる」。
これは脳科学的にも証明されていること。自然体で過ごすことで、自分をリセットする。
すると五感が研ぎ澄まされ、「感じる」能力が育ってくる。
ミューシグを科学的に検証するとそういうことになるだろう。

薪ストーブのパチパチという音、コーヒーの香り、肌触りのよいブランケット、家族との会話…
生まれながらにして脳が心地よいと感じる方法を知っている北欧の人たちには驚くばかり。
「心地よさを感じる力」をもっと鍛えて、やりたいことを思いっきり!
ミューシグの魅力は尽きることがない。

ミューシグと脳科学

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  • スロイド

    スロイド

    スウェーデン語【バネ・外に走り出る】
    18歳になると、スウェーデンでは成人の仲間入り。 6月に行われる高校の卒業式は、日本の成人式と同様に、明るいお祝いムードに包まれます。 卒業式はutspring(ウートゥスプリング:外に走り出る)と呼ばれ、社会へ飛び込んでいく第一歩。 「独り立ち」への喜びと大人になる緊張感を胸に、卒業生たちはお祭り騒ぎで街を凱旋します。

  • スロイド

    スロイド

    スウェーデン語【手仕事】
    長い冬、家の中で過ごす時間が多いスウェーデンで、家庭内で行われていた「ものづくり」を指す言葉がスロイド(手仕事)です。 生活用品や衣類、インテリア、おもちゃ…オートメーションが進み、大量生産の世の中になった今でも、 スウェーデンの人たちは「自分でつくる」ことを 愛してやみません。心を込めて、時間をかけて、誰かのために… ずっと愛せるものをつくり出すことは、彼らにとってかけがえのない喜びなのです。

  • ナチュール

    ナチュール

    スウェーデン語【自然】
    森と湖の国スウェーデン。
    人々は「自然と共に」そして「自分自身も自然体で」
    という思いを持って暮らしています。
    自然はみんなのものであり、土地所有者の許可なく
    自然の恩恵を共有できる「自然享受権」という
    独特な権利も認められています。
    生活の一部、生き方の基盤となるキーワードです。

  • ソンマルストゥーガ

    ソンマルストゥーガ

    スウェーデン語【サマーハウス】
    夏を過ごす家—— スウェーデンのサマーハウスは、
    日本の「別荘」とは少し様子が異なる。
    日常の喧騒から離れ、生活の場を自分たちで
    一つ一つ作り上げながら、自然の偉大さを感じ、
    日々の生活に深く感謝する。ここで過ごす夏の時間は、
    スウェーデンの人々の「生きる力」の源となっている。

  • フェンステル

    フェンステル

    スウェーデン語【窓】
    スウェーデンの人たちにとって、
    窓は単なる「開口部」ではない。 光あふれる短い夏と、暗く長い冬がめぐる暮らしの中で、窓は「太陽の入り口」となったのだ。
    個性豊かに飾られた窓辺は、道行く人の目も楽しませ、街を、そしてスウェーデンという国を
    美しく彩っている。

  • ラゴム

    ラゴム

    スウェーデン語【ちょうどよい・ほどほど】
    ex:ほどほどが一番
    ヴァイキングたちが一杯の蜂蜜酒を回し飲みする時に、
    それぞれが自分にちょうどよい量を飲んで分け合った
    “Laget om(ラーゲット・オム)=仲間と分け合う“
    という言葉が語源とも言われる。
    多すぎず、少なすぎず、自分に合った物や量を良しとするスウェーデンの哲学を表す言葉。

  • フィーカ

    フィーカ

    スウェーデン語【お茶の時間、お茶をする】
    ex:お茶にしませんか?
    スウェーデン独自のコーヒーブレイク。コーヒーを
    意味するKaffeがひっくり返ってFikaになったと
    言われている。コーヒーと一緒に軽いパンやお菓子
    がセットになることが多く、スウェーデンの人々が
    大事にしている、心を通わせ合う時間。もちろん一人
    でのフィーカもOK。

  • ミューシグ

    ミューシグ

    スウェーデン語【心地良い場所・空間・時間】
    ex:ああ、ミューシグだね。
    のんびりと、心地よい状態を指します。一人でも、
    親しい人と一緒でも、自分の気持ちに素直になって、
    心の底からリラックス。スウェーデンの人々が大切
    にしている、暮らしのキーワードです。

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