家族の距離感

家族の距離感

子育てにおいて、「自立を促す」ことを大切にするスウェーデン。
赤ちゃんの時から子どもは子ども部屋で眠り、大人たちは常に、その子が「どうしたいか」に耳を傾けて、
自分の考えを整理できるように愛情深くサポートします。
そのせいか、子どもたちは早くから自己を確立していきます。社会的にも大人の仲間入りとなる18歳は、折しも高校卒業の年。
成人式のような意味合いが強い卒業式に親は参加せず、門の外で、式を終えて駆け出してくる子どもたちを待ちます。
「自立」に重きを置く子育ては、一見冷たそうにも聞こえますが、スウェーデンの人々にとって「家族の絆」は何よりも大切なもの。
一緒にいられる時にはしっかりと寄り添い、抱きしめ、愛を伝えることで、「自立」へのエネルギーを育んでいきます。

子どもの成長を見守る暮らし

子どもの成長を見守る暮らし

幼い頃から「1人の人」として尊重される子どもたちの個性は、子ども部屋でも豊かに表現されます。
もちろん、小さな頃には、大人たちのセンスやアイデアで飾りつけたりもしますが、ある程度大きくなれば、そこは自分の城。
自分は何が好きなのか、何に居心地の良さを感じるのかを、試行錯誤しながら見つけていきます。
大人たちはそんな彼らの意見に寄り添い、必要とあればアドバイスをしながら、見守ります。
「自分」を意識しながらも、「家族」とのつながりを感じる何かを、さりげなく飾ったり使ったりしていることもよくある光景です。      

家族の時を積み重ねよう

家族の時を積み重ねよう

家族が集まる場所は、みんなの思い出でいっぱい――絵や写真だけでなく、スウェーデンの人たちは大好きだった物や、
長く使っていた思い出の品などを、さまざまな形で身近に置いておくことが上手です。
子ども服の生地を利用してイースターやクリスマスのリースにしたり、パッチワークでクッションカバーを作ったりと、
形や用途を変えながら、家族の歴史を紡いでいきます。
ふと目を向けると、懐かしい記憶が蘇る…そんなインテリアは、家族との毎日を豊かにし、「帰りたい場所」を温めます。

この家で、深くつながる

家族のつながりを大切に考える、スウェーデンの住宅。
家族みんなが心から安心して過ごすために、
「家」は重要な役割を果たします。
自然にコミュニケーションが生まれる仕掛け、
個性を尊重できる空間、そして、健康的な温度や湿度など、
さまざまな視点から住環境を考えることは、
より楽しい子育ての第一歩かもしれません。
      

親子を育む家 172号 2017年3月発行

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  • スロイド

    スロイド

    スウェーデン語【ウートゥスプリング】
    長い冬、家の中で過ごす時間が多いスウェーデンで、18歳になると、スウェーデンでは成人の仲間入り。 6月に行われる高校の卒業式は、日本の成人式と同様に、明るいお祝いムードに包まれます。 卒業式はutspring(ウートゥスプリング:外に走り出る)と呼ばれ、社会へ飛び込んでいく第一歩。 「独り立ち」への喜びと大人になる緊張感を胸に、卒業生たちはお祭り騒ぎで街を凱旋します。

  • スロイド

    スロイド

    スウェーデン語【スロイド】
    長い冬、家の中で過ごす時間が多いスウェーデンで、家庭内で行われていた「ものづくり」を指す言葉がスロイド(手仕事)です。 生活用品や衣類、インテリア、おもちゃ…オートメーションが進み、大量生産の世の中になった今でも、 スウェーデンの人たちは「自分でつくる」ことを 愛してやみません。心を込めて、時間をかけて、誰かのために… ずっと愛せるものをつくり出すことは、彼らにとってかけがえのない喜びなのです。

  • ナチュール

    ナチュール

    スウェーデン語【ナチュール】
    森と湖の国スウェーデン。
    人々は「自然と共に」そして「自分自身も自然体で」
    という思いを持って暮らしています。
    自然はみんなのものであり、土地所有者の許可なく
    自然の恩恵を共有できる「自然享受権」という
    独特な権利も認められています。
    生活の一部、生き方の基盤となるキーワードです。

  • ソンマルストゥーガ

    ソンマルストゥーガ

    スウェーデン語【サマーハウス】
    夏を過ごす家—— スウェーデンのサマーハウスは、
    日本の「別荘」とは少し様子が異なる。
    日常の喧騒から離れ、生活の場を自分たちで
    一つ一つ作り上げながら、自然の偉大さを感じ、
    日々の生活に深く感謝する。ここで過ごす夏の時間は、
    スウェーデンの人々の「生きる力」の源となっている。

  • フェンステル

    フェンステル

    スウェーデン語【窓】
    スウェーデンの人たちにとって、
    窓は単なる「開口部」ではない。 光あふれる短い夏と、暗く長い冬がめぐる暮らしの中で、窓は「太陽の入り口」となったのだ。
    個性豊かに飾られた窓辺は、道行く人の目も楽しませ、街を、そしてスウェーデンという国を
    美しく彩っている。

  • ラゴム

    ラゴム

    スウェーデン語【ちょうどよい・ほどほど】
    ex:ほどほどが一番
    ヴァイキングたちが一杯の蜂蜜酒を回し飲みする時に、
    それぞれが自分にちょうどよい量を飲んで分け合った
    “Laget om(ラーゲット・オム)=仲間と分け合う“
    という言葉が語源とも言われる。
    多すぎず、少なすぎず、自分に合った物や量を良しとするスウェーデンの哲学を表す言葉。

  • フィーカ

    フィーカ

    スウェーデン語【お茶の時間、お茶をする】
    ex:お茶にしませんか?
    スウェーデン独自のコーヒーブレイク。コーヒーを
    意味するKaffeがひっくり返ってFikaになったと
    言われている。コーヒーと一緒に軽いパンやお菓子
    がセットになることが多く、スウェーデンの人々が
    大事にしている、心を通わせ合う時間。もちろん一人
    でのフィーカもOK。

  • ミューシグ

    ミューシグ

    スウェーデン語【心地良い場所・空間・時間】
    ex:ああ、ミューシグだね。
    のんびりと、心地よい状態を指します。一人でも、
    親しい人と一緒でも、自分の気持ちに素直になって、
    心の底からリラックス。スウェーデンの人々が大切
    にしている、暮らしのキーワードです。

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