夏休みが終わる8月下旬、日本では親子で宿題に追われる時期ではないでしょうか。スウェーデンの学校では6月初旬から8月中旬までの長い夏休みの間、宿題は全くありません。旅行に行ったり、サマーハウスで過ごしたり、夏休みは普段とは別の環境で、長い休みでないとできない貴重な体験をとおして、様々なことを学ぶ大切な時間と考えます。夏休みに体験したことは、絵に描いたり作文にして提出することはなく、新しい学年が始まる最初の日に短く報告し合います。

(上左)野いちごを草に刺して集める子ども(上右)本を読む時間もたっぷり(下)キャンプする親子

スウェーデンの小学校では1年生から6年生までクラス替えをしない学校が多く、新学年の初日はドキドキと緊張する日ではなく、しばらく会っていなかったクラスメートや先生と再会するワクワクした楽しい1日になります。保育園から10年間も一緒のクラスメートや、担任の先生がずっと同じ場合も珍しくありません。転校をしない限り同じ環境でずっと学校生活を続けられるようにと配慮した方針だとか。

担任の先生の交替やクラス替えが度々ある日本では、新しい環境で新しい友人関係を築く力を養えるかもしれませんが、スウェーデンでは安定した環境のほうを優先させるようです。この事を初めて聞いた時にはさすがに驚きましたが、余計な心配や緊張もしない環境で、落ち着いて新学年の勉強に打ち込めるというのは、考えてみれば合理的でとてもスウェーデンらしい一面だと納得しました。

ストックホルムで開催されるカルチャーフェスティバル

夏のあいだ閉まっていたレストランやブティックは再開し、臨時ダイヤだった交通機関も8月中旬には正常ダイヤに戻り、スウェーデン社会が再び動き始めます。この頃ストックホルムでは、しばらく留守にしていた住民たちの帰りを待っていたかのように、カルチャーフェスティバルが開催されます。美術館や博物館は無料で子どもたちに解放され、街のあちこちでイベントやワークショップが開かれます。旅先での出来事は魅力的でスパイスのように刺激がありますが、夏休み最後の時間は住み慣れた土地のイベントで心を解放して楽しみます。

休暇の度によく旅行に出かけるスウェーデン人ですが、旅行から戻った途端に必ず出てくる言葉は “ Borta bra men hemma bäst! (ボッタ ブロー メン ヘンマ ベスト) ” 日本語にすると「旅行は楽しいけれど、我が家が一番!」 8月はこんな言葉が飛び交う月ですね。

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