
ストックホルムで泊まったホテルの窓から、運河越しにオランダ型風車が見えた。
羽根は動いていない。
知人に聞くと[あれは、風車レストラン]だと言う。
昔の風車を時々見かけることはあるが、
それがレストランになっているのは私は見たことがない。
さっそく出かけてみた。
その風車は、赤い家の上にあった。
170年前は、風車の下部が風車守の家族の住まいでもあったのだ。
食事を終えるとすぐ、見学OKの風車部分に登った。
薄暗い中でも歯車や石臼などが見える。全ての木材はガッシリとして力強い。今にも動き出しそうだ。
かつては近辺の人々の食を支えた粉挽き風車。
建物がレストランになり現在も愛されているのが、とても嬉しく思えた。
Profile
深井せつ子
画家。北欧絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『森はみんなの保育園』、『スウェーデンの変身する家具』、他の地域の絵本に『一枚の布をぐるぐるぐる』など(全て福音館書店発行)。2021年4月に『児童文学の中の家』(エクスナレッジ)、2024年1月に『まど・窓・まど』(福音館書店「月刊たくさんのふしぎ」)、2025年9月に『風車と水車』(福音館書店「月刊たくさんのふしぎ」)を出版。
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