スウェディちゃんが家族と暮らすスウェーデンハウス。
その家づくりには細やかな施工手順や作業の工夫があります。
大好きな自分のお家がどのようにつくられていくのか、
強さや快適さの理由を、ムース先生と一緒に探ります。
前回で、基礎と土台の上につくる
強い床組&足元が冷えずに
快適なヒミツを知ることができたね。
今回は、「木の家」の要になる
モノボックス®構造の強さの理由を、
2階の床・壁と、屋根に
注目して学んでいくよ。

スウェディちゃん。
まずは、これまでも勉強してきた
モノボックス®構造の
基本から始めるよ!
それぞれに
強さのヒミツがあるのね!





面で支える「堅い箱」のような構造
スウェーデンハウスは、面として強さと剛性を備えた床・壁・屋根の6面を強固に一体化した、独自の「モノボックス®構造」です。
モノボックス®構造は、
「枠組壁工法」とも呼ばれている2×4工法の一種です。
枠材を並べた枠組と、構造用合板を釘で留めつけることで「強い面材」をつくります。そして、6つの面を強固につなぎ、「堅い箱」に組み立てる工法です。製材や、釘の種類や留めつけ間隔など、様々な基準が定められており、これらを忠実に守ることで、優れた性能を担保します。
強い面をつくる。
そして、6面の強固な「堅い箱」にする。
面で耐える強さの理由を、
段ボール箱で例えるとよくわかるよ!

[ 木造軸組工法(在来工法) ]

柱や梁、筋交いなどで建物を支える工法です。
[ 枠組壁工法(2×4工法) ]




ふたがない段ボールの箱は…



屋根がない状態と同じです。力をかけると簡単に歪んでしまいます。
ふたを閉めた段ボール

「6面体」に組み立てた段ボール箱は、横から力をかけても簡単には変形しません。




モノボックス®構造は、建物の自重などの垂直の力や、地震や強い風などによる水平の力を、「6面体」の家全体で受け止めます。
「受けた力をそのまま床や壁に伝えていって、
基礎を通じて地盤に力を逃がす」
というイメージなんだよ。
もし弱い部分があると、うまく力を
伝えていくことができずにそこに集中し、
ダメージを受けてしまうことになるよね。
「モノボックス®構造」は、
すべての面が強いから安心なんだ。
ほんとだ!
とっても堅い箱だと、
ビクともしないってことね。

そうなんだよ!
堅い箱 = 強くて歪みにくい構造
と覚えておこうね。
モノボックス®構造の強さのポイントとなるのは、構成している面の強さだ。
床・壁・屋根、それぞれの強さ、ということになるね。
じゃあ、それらの強さのヒミツを探っていこう。

建物を面で支える、高強度の構造
2階床
水平を保ち、
高い剛性で壁を支える
枠組と床面材が一体化された「水平ダイアフラム構造」の床組です。一点に力が集中せず、あらゆる方向からの水平力を強靭に受け止め、壁パネルへ均一に伝えて逃がします。床根太に構造用合板を釘留めすることで高い剛性を発揮し、地震などによる建物の変形を抑えます。


2階の床根太には
「Ⅰ型ジョイスト」という
エンジニアウッド
(工業的に仕立て、強度性能が
保証された木材)を使っている。
木材特有の反り、ねじれ、
収縮などが極めて少なく、
高い強度と安定性を
叶えているんだ。


壁
強い「木の家」の要、
木質壁パネル
木質壁パネルの独自構造
スウェーデンハウスの壁は、工場生産された壁パネルでつくられています。








木質壁パネルは、「外壁パネル」と、
部屋を仕切る「内壁パネル」がある。
これらのパネルには、
「木の家」の強度を高める
独自の工夫が施されているんだ。

外壁パネル
構造用合板を両面貼り
屋外側と室内側の両面に構造用合板を釘やビスで留めつけているため、一般的な2×4工法とは大きく異なり、より強度の高い構造体を実現しています。
一般的な2×4工法では、
室内側には合板を貼らず石膏ボードのみと
することがほとんどなんだ。







内壁パネル
内壁にも構造用合板貼り
内壁パネルにも構造用合板を貼り強度を高めています。
一般的な2×4工法を含む木造住宅では、
内壁には合板を貼らず
石膏ボードのみとするのが主流だけど、
スウェーデンハウスは違うんだ。


1枚の壁自体が、
強くつくられているのね!


強さを示す「壁倍率」
3.0を標準設計
建物の壁の強度を表す基準として「壁倍率※」があります。スウェーデンハウスの木質壁パネルは、壁倍率3.0を標準に設計しています。
※壁倍率1.0とは、壁の長さ1m当たり1.96N(200kg)の水平耐力をもつということです。
スウェーデンハウスでは、
壁倍率の計算に石膏ボードの強度を見込んでいない。
つまり、石膏ボードを除いた壁パネルで壁倍率を提示しているんだ。
日本は地震も多い国。石膏ボードは、強い地震で破損することもある。
たとえ繰り返しの地震にあっても、変わらずに性能や強さを
発揮し続けることが、大切だからだよ。





超骨太の枠材
木質壁パネルの枠材は、一般的な2×4材の1.6倍もの断面積を持つ、高強度の構造材を使っています。この断面積の違いは、積雪など上からの力に対する圧縮強度の強さを表し、2×4材と比べると、1.6倍もの強さになります。
一般的な2×4材よりも幅が7mm広いことで、
合板ジョイント部の釘打ちが抜群に安定する。
合板の端からの距離が大切で、
短いと、小口が割れたり、
釘が十分に作用できないことも…。
良い品質を担保するため、この7mmは、
とても大きな差になっているんだ。



たった7mm!にも
違いがあるんだ!

屋根
軽くて強い
三角形構造の、木質トラス
木質トラスとは、三角形をひとつの単位として組み込んだ屋根構造材のこと。強度が高く、軽くて丈夫な構造を実現します。そのトラスを0.6mまたは1.2m間隔で並べて固定した後は、野地合板を貼って小屋組(屋根)と一体化します。

力のつり合いを保つ三角形は、力学的に安定した形状です。

堅牢な屋根をつくる。
屋根と壁パネルをしっかりつなぐ接合金物
隙間や歪みもなく組まれた小屋組(屋根)を、壁パネルと緊結。接合金物で、軒下から吹き上げる風への耐性を高めます。
[ギャングネイル]
木材同士の接合部を確実につなぎとめ、耐久性、安定感に優れた木質トラスを形成します。
[ハリケーンタイ]
屋根を壁パネルにしっかり緊結する接合金物。台風などの強風による屋根の破損を防ぎます。
スウェディちゃんのお家ができるまでを、
しっかり見てきたね。
基礎は約1カ月かけてじっくり工事をするけど、
その後は一気に進んで、
1週間ほどで屋根までできるよ。

見えないところの工夫や
ヒミツがいっぱいあった!
私のお家はとっても
強いってことがわかったわ!

床・壁・屋根、それぞれが独自の強さを備え、かつ一体化した面の構造で高い強度を発揮する「木の家」スウェーデンハウス。このモノボックス®構造は、強くて歪みにくいため、地震や気候変動による災害の影響を受けにくいのです。家は家族の命をあずかるもの…だからこそ、末長く強さを保つ住まいであるよう見えないところに工夫を凝らし、家族の未来を守り続けます。