

スウェーデンヒルズが目指したのは、「人と自然が調和して、心豊かに暮らしを営んでいく」という理想を形にする街づくり。そのためには、スウェーデン式の住宅を建てるだけではなく、日本とスウェーデン両国の交流とスウェーデン文化に触れあえる環境が不可欠でした。
その考えはスウェーデンヒルズの計画初期から大切にされ、基本プランの筆頭にも「中心にスウェーデン交流センターを設置し、スウェーデンと同じ雰囲気の街づくりを行う」と明記されています。
そして、1983年に外務省と総理府(北海道開発庁)を主務官庁として財団法人(現・一般財団法人)が設立。1986年、人々の暮らしの舞台となる街の中心に「スウェーデン交流センター」がオープンし、両国の交流と文化に直接触れることのできる拠点として、重要な役割を果たしています。


伝統的な吹きガラスや木材工芸などの体験と工房見学、北欧の「夏至祭」に、夏の風物詩「ザリガニ・パーティー」など、さまざまなイベントを通してスウェーデンの生活文化を紹介。大切な家族が住まうこの街や住まいへの愛着を育みながら、「自然とともに生きる素晴らしさ」「本当の豊かさとは何か」について考えを深めるきっかけをつくり続けてきました。

一方1987年には、交流センターが仲介役となって、スウェーデンヒルズのある当別町とスウェーデン中部ダーラナ地方のレクサンド市が姉妹都市提携を調印。1990年には国王カール16世グスタフ陛下の来訪も実現するなど、以来、文化・教育・スポーツなど、地域ぐるみでの多彩な交流が続いています。さらに2018年、両国の外交関係樹立150周年の年に初開催された「当別スウェーデンマラソン」はその後も回を重ね、2024年10月にも開催。今回も多くのランナーたちで賑わいました。
国、地域、そして人。さまざまなつながりを育んできたスウェーデン交流センター。「第二のスウェーデン大使館」とも呼ぶべき文化交流の原点として、今もなお「スウェーデンヒルズ」の理想を地域に根付かせています。



