
グリップスホルム城は、
スウェーデン南東部のメーラレン湖に面する
マリエフレードという町にあり、
遠目からは美しく愛らしい容姿に見える。
でも、真下から見上げると四つの塔の大きさは圧倒的だ。
建立は1537年。時の王、グスタフ・ヴァーサによる。
ヴァーサ王は、自国をデンマーク支配から独立させた
功績があり、現在の王の祖となる人物。
城の建物はこれだけでなく、手前に元兵舎及び住居がいくつもあるが、
絵に表さなかった。この八角形のような城の形が素晴らしいと、私は思う。
城に窓があるが、当時はまだ板ガラスを作る技術が発達していなかった時代で、
小さなガラス片を鉛で繋ぎ窓に仕立てたもの。
斜めの線が鉛で全てが菱形に見えるガラス窓。
乱反射する光で、窓がキラキラと輝いていた。
2023年春の旅から。
Profile
深井せつ子
画家。北欧絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『森はみんなの保育園』、『スウェーデンの変身する家具』、他の地域の絵本に『一枚の布をぐるぐるぐる』など(全て福音館書店発行)。2021年4月に『児童文学の中の家』(エクスナレッジ)、2024年1月に『たくさんのふしぎ まど・窓・まど』(福音館書店)を出版。
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