ウフフの我が家

気が付けば、スウェーデンハウスを建ててはや17年。オーナーコピーライターのひとりごと。

どこでも個室

なんだか少し硬いなあと思ってパッケージをよく見ると、そのパスタの茹で時間は6分ではなく8分だった。ちゃんと眼鏡をかけて見ればよかった。そう、意地を張らずに「老眼鏡」を。

いつもと同じことをしているはずなのに、ある日突然「あれ?」と違和感を感じることがある。瞬発力や持久力、記憶力、食事の量や好みの変化もそうだ。いつの間にか若い時と同じではなくなっている!以前はいちいちショックを受けていたが、老眼が出始め、五十肩を経験してからは腹をくくり、老化を感じる時には「私も大きくなったもんだ」と、この年まで年輪を刻んでこれたことに感謝をするようにしている。私というバームクーヘンが、どんどん大きくなって、食べ応えのある一品になるさまを頭に思い描きながら。

「家は3回建てないと理想の家にならない」という言葉があるが、一説には老いるに従って必要十分な家の在り方が変わってくるためだと言われている。若い時に建てる家には、自分が年をとった時のための配慮などはあまりないのが普通だ。

私たちもそうだったように思う。スウェーデンハウスの人たちに勧められるままに手すりをつけ、トイレの位置を決め、廊下の幅も標準のモジュールでお願いをした。福祉大国スウェーデンの考え方に基づいた標準仕様なのだから、間違いないでしょうと思いながら。

そして最近、この家に支えられている自分に気づく。手すりは絶妙な位置につけられている。冬のヒートショックも怖くない。回転窓の窓拭きも、まだまだ自分でできそうだ。老化が進むのは仕方ない。けれどこの家のおかげで、老いることへの余計なストレスを感じずに済んでいるように思う。安心して住み続けられるスウェーデンハウスの「標準仕様」に、今後ますます感謝をすることになるだろう。

バームクーヘンはどこまで大きくなれるだろう。大きくなるほど美味しくなって、楽しくなって…願わくばそんな人生がいい。できれば一番外側には白い砂糖のコーティングなんかがあるといい。うん。なるべく分厚くて甘いやつがいい。