スウェーデンハウス紀行 vol.9 環境負荷の少ない家づくり

大好きなお家のことがもっと知りたくなった、スウェディちゃん。
どうしてスウェーデンなの? どうやって日本に来るの?
その秘密を探しにスウェーデンハウスの故郷、スウェーデンを訪ねます。

スウェディちゃんのお家について知るために、
スウェーデンの循環する森の仕組みや、
持続可能な社会の取り組みについて
学んできたね。

前回のおさらいをするスウェディちゃん

ムッレくんや、現地工場の人が
教えてくれたことね!

今回は、そこからつながる
“スウェーデンハウスに暮らす”ことが、
地球環境に貢献することについて学んでみよう。
スウェディちゃん、未来の地球のために、
「カーボンニュートラル」を実現することが、
世界の緊急課題になっていることを
知っているかな?

ムース先生
スウェディちゃん ハテナマーク

カーボン
ニュートラル?

「カーボン」は炭素、
「ニュートラル」は中立を意味するよ。
人が暮らしていく中では、CO2の排出自体を
ゼロにすることができないから、
大気中に排出される二酸化炭素をはじめとする
温室効果ガス※の量と、
森林などが吸収する量とを
差し引きゼロにしていきましょう、
という目標なんだ。
※二酸化炭素(CO2)をはじめ、メタン、N2O(一酸化二窒素)、フロンガスを含む「温室効果ガス」を対象にしたもの

ムース先生
街と森 上矢印 +-0 下矢印
CO2
植林
O2

日本も含めた世界の120以上の国と地域が「2050年にカーボンニュートラルを目指す」ことを表明しています。近年のさまざまな気象災害は、日常生活や経済活動によって排出される温室効果ガスが原因です。ですから「カーボンニュートラル」の実現は、国も企業も国民も、みんなに関係する課題です。

まずグラフを見てみよう。
世界全体のCO2排出量のうち、約40%を占めるのが
建築関連なんだ。多いことがわかるね。

ムース先生
CO2排出量グラフ 出典:Global Alliance for Buildings and construction(2021)
   IFC calculations based on data from the Global Trade Analysis Project (2022)

そうか。
建物やお家をつくるには、
たくさんの材料や
エネルギーが必要だもんね。

スウェディちゃん

今後、建築の分野でCO2排出量を
減らしていくことが大きな課題の一つなんだ。
日本でも国やさまざまな団体が、
取り組みを進めているんだよ。

ムース先生

材料を生産し、家を建て、長く暮らし、寿命を迎え解体するまで。
全てのCO2排出量を知ることから始まる

まず何が、どれくらいCO2を排出しているのか、
建物の生涯を通した全体像を
知ることが大事なんだ。
サステナビリティ=持続可能であるかは、
とても長~い目線で見ていかないとね。
スウェディちゃんのお家「スウェーデンハウス」の
生涯を通したCO2排出量を見ていこう。

ムース先生

私のお家が、
どれくらいCO2
出しているのかが
わかるのね!

スウェディちゃん

建物の原材料の抽出・製造・輸送から、維持管理、耐用年数終了(解体・リサイクル)までの、生涯を通じたCO2排出量の総和を、エンボディドカーボンと言います。

スウェーデンハウス1棟におけるエンボディドカーボン

スウェーデンハウスが調査した
エンボディドカーボンを紹介するよ。

ムース先生
スウェーデンの森の木が
製材になるまで
CO2排出量:16t(全体の4.95%)

スウェーデンの森から調達された木材等を原材料(製材、合板等)にする過程で排出するCO2量を、スウェーデンハウス1棟あたりにした試算です。

木材調達
START

「木」は、再生できる唯一の建築資材。
そして木材を加工する過程でのCO2排出量は
アルミなどの資材と比べて非常に小さい。
またスウェーデンの製材は、日本国内の製材と比較しても、
CO2排出量が少ないんだ。※原単位からの比較(一定量の生産物をつくる過程で排出する二酸化炭素排出量)

ムース先生
矢印(緑)
「トーモクヒュース」での加工の流れ START START START
現地工場
「トーモクヒュース」で
製造・加工
CO2排出量:0t(実質CO2排出量ゼロ)

現地工場は、
100%再生可能エネルギーで
稼働しているからだよ。

矢印(緑)
スウェーデン国内輸送
CO2排出量:0.02t(全体の0.006%)
鉄道でのスウェーデン国内輸送

スウェーデン国内の輸送は、
工場近くの貨物ターミナルまでを車両で、
貨物ターミナルから港までを
CO2排出量の少ない鉄道で行なっている。
スウェーデンから日本までの海上輸送は、
大型コンテナ船で行なわれていて、
エンボディドカーボンに占める割合は
わずか1.47%だよ。

ムース先生
矢印(緑)
海上輸送
海上輸送
CO2排出量:4.76t(全体の1.47%)
矢印(緑)
日本での国内輸送
CO2排出量:0.12t(全体の0.04%)
日本での国内輸送
矢印(緑)
建築・施工
CO2排出量:3.7t(全体の1.15%)
建築
矢印(緑)
居住
(90年で試算※)
CO2排出量:293t(全体の90.71%)

長期優良住宅の劣化等級3に該当する90年で試算。

施工
矢印(黄色)

90年間暮らす時の
CO2排出量を
計算したものだよ。

ムース先生
解体
【中間処理(廃棄・リサイクル)を含む】
CO2排出量:5.32t(全体の1.65%)
矢印(緑)下
矢印(緑)斜め右下
解体
End
合 計CO2排出量
323.0t
内訳の円グラフ

「スウェーデンハウス1棟あたりのLCCO2(90年)2023年」より
試算条件
・居住時のCO2量:7,500kwh/年・棟(一次エネ消費計算プログラムより算出)×CO2排出原価単位0.434kg・CO2/kwhをかけた値
・6地域、オール電化、太陽光発電がない場合

スウェーデンハウスのエンボディドカーボン
(建物生涯を通じたCO2排出量)を割合で見ると
90%が居住時に排出されるCO2ということがわかるね。
スウェーデンハウスは長寿命の家だから安心だけど、
もし長持ちしない家だったら、もっと短いサイクルで
解体と建築をくり返すことになるから、
余計に環境負荷がかかることになってしまうよ。

ムース先生

人が暮らしていくには、エネルギーが必要不可欠なんだ。
だからこそ、使うエネルギーをできるだけ少なくした上で、
快適に長く暮らせる高い性能を備えた「家」が大事なんだ。
次にそのことを、学んでいこうね。

地球にやさしいお家、
のことね!

スウェディちゃん

CO2排出量をできるだけ少なく
暮らすために

ムース先生
高気密・高断熱を備えた
省エネ性能が標準仕様

スウェーデンハウスは、創業当初から健康で快適に暮らせる家を追求し、家全体を包み込む分厚い断熱材や木製サッシ3層ガラス窓、さらに気密施工にもこだわることで、高い気密・断熱性能を標準仕様としてきました。そして暑さや寒さなどの外気温の影響を最小限にして、家中どこでも快適に過ごせる家は、同時に優れた省エネ性能を備えた家でもありました。スウェーデンハウスは家そのものの基本性能によって、少ないエネルギーで快適に暮らせる家なのです。

少ないCO2排出量で、みんなの暮らしが快適になるように、
国は省エネ基準の適合義務化を決定したんだ。
これからの住宅を取り巻く環境が変わっていくよ。 ムース先生

国が定めた省エネ基準を大幅にクリア

2025年に省エネ基準が義務化されます。全ての新築住宅・建築物で、断熱・省エネルギー性能の確保が必須になり、省エネ基準(断熱等級4)を満たさないと、建築許可が下りなくなります。

図を見てみよう。
スウェーデンハウスは、標準仕様で断熱等級4を大きくクリアする。
断熱等級のレベルは「U値」(外皮平均熱貫流率:外部と接する
床・壁・窓・天井(屋根)などの部分がどれだけ熱を通すのかを示す数値)で規定され、数値が低いほど断熱性能は高く、省エネ性能も高い建物になるんだ。 ムース先生

断熱等級のグラフ 断熱等級=U値 ※数値が小さいほど高い断熱性能を有します。
※断熱等級3~7のU値の基準値は、断熱等級の地域区分5、6、7地域の場合

スウェーデンハウスのU値は0.36(2022年度全国平均)。
世界的にもトップクラスの数値だよ。
U値の比較 スウェーデンハウスは断熱性能が高いので、
外気温から受ける影響は、省エネ基準の半分なんだ。
このU値の差って、どれくらいなのかな?
わかりやすく、暮らすために使う電力量で置き換えてみると…

ムース先生
スウェーデンハウスは省エネ住宅
(2016年の省エネ基準を満たした家)
と比較して

消費電力が28%も
少なくなります。

※オール電化、延床面積120㎡、6地域の建物で試算

電力比較

快適な暮らしに必要な電力量が 年間に
約3割も抑えられる
のは、うれしいことだね。

ムース先生

お家で使うエネルギーは、
少ないほどグッドなのね!

スウェディちゃん

スウェーデンハウス(U値=0.36)と、省エネ基準を満たした断熱等級4(U値=0.87)の一般的な家で、1年間の消費電力量がどのくらい違うのか計算したところ、スウェーデンハウスが約7,500kWhなのに対し一般的な家は10,330kWhでした。その差は2,830kWhで、スウェーデンハウスが年間に約28%も省エネであることが分かります。

下矢印(緑)
それぞれの住宅に90年暮らすと、
その差はさらに大きくなります。
電力比較
スウェーデンハウスで
90年間暮らせる消費電力量で、
一般的な家は65.3年しか暮らせない。
(一般的な住宅が90年暮らせる量で、スウェーデンハウスは124年暮らせる)
ムース先生

快適さを保ちながら長く暮らすために

  • 次世代へと受け継がれる長期優良住宅

    「いいものをつくって、きちんと手入れをして、長く大切に使う」という住宅の長寿命化を推進するために、国は「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」を定めています。40年前から「100年住み継ぐ家づくり」を目指すスウェーデンハウスは、標準仕様で、長期優良住宅の条件に対応しています。

  • ずっと快適を、50年間無料定期検診システムでサポート

    何よりも大切なのは、住む人が、安全に快適に、長く「暮らす」こと。新築時の高い気密・断熱性能を保ち続けるために、スウェーデンハウスには、50年間無料定期検診システム(ヒュースドクトル50)があります。

スウェーデンの森から生まれた「木の家」は、
末長く快適を維持して、
親から子へ、子から孫へと受け継がれ、
愛され続けていくんだ。

ムース先生

私もお家が大好きだから、
ずっと住み続けたい!
スウェーデンハウスに暮らすことは、
地球にとっても幸せなことになるね!

スウェディちゃん
ムース先生のまとめ

近年の世界的な気候変動をはじめとする環境問題は、これまで以上に大きな課題となっています。スウェーデンハウスは、環境先進国であるスウェーデンの持続可能な森からつながる、自然のサイクルの中にある「木の家」。CO2を吸収する森を育み、再生可能な木材を活用し、長く大切に住み継ぐことでCO2を固定し続けます。暮らしのため、地球のため、未来のために。快適性能と省エネ性能を備え、サステナブルな視点でつくられた「木の家」なのです。