
気が付けば、スウェーデンハウスを建ててはや17年。オーナーコピーライターのひとりごと。

スウェーデンハウスライフのお気に入りポイント…数ある中でも「換気ポジション」が上位に入る。そう、窓を開けると左右の窓枠に見える、小さな穴の存在だ。この穴、まさに私の「ツボ」なのである。
私の育った家は平屋の日本家屋だったので、隙間風はもちろんさまざまな音が入り込んできた。姉妹で長くテレビを観ていると、父はよく「少しテレビを消して、周りの音を聞きなさい」と言った。雨の日が多かったと思う。バラバラと屋根に落ちる雨音、壊れた樋から流れる大きな雨つぶが土を打つ音。庭の木々が揺れる音。子どもだった私には、そんな音は面白くもなんともなかったが、「周りの音を聞きなさい」という言葉は何故か心に残っていて、イヤホンで音楽をガンガン聴きながら歩く年代になっても、ふと思い出してはスイッチを切り、街の音に耳を澄ますことが少なくなかった。
スウェーデンハウスはとても静かだ。3重ガラスの窓を閉めた途端、外と内の世界は分けられ静寂が訪れる。「この窓は潜水艦のハッチのようだ」と言う人がいるが、言い得て妙である。午後3時を過ぎる頃には公園で遊ぶ子どもたちの声がそこここに溢れるので、オンライン会議の時などは本当に助かる。音に煩わされることのない生活のなんと快適なことか。しかも24時間換気システムで、窓を閉め切っていても室内の空気はクリーンに保たれる。
それでも。私はそっと窓を開ける。赤ちゃんが泣いている。自転車が急いで坂を下りていく。友達と別れ難くて立ち話を続ける中学生。風が湿った香りを運んでくる。雨が降るのかもしれない――窓を換気ポジションに固定して、心を外に解き放つ。風が吹いてもバタンと閉まらず、防犯上の心配もないから、虫の音を聞きながら眠ることだってできる。
プライバシーを保ちたい。周りの世界と交わりたい。欲しい環境を「選べる」スウェーデンハウスの窓。ハンドルをきゅっと横にして、小さな穴に固定する時、えも言われぬ満足感に包まれる私は、マニアックと言われようが、とても幸せなのである。
*換気ポジションについての
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