
木製モンキー / カイ・ボイスン デンマーク
1951年の発表以来、世界中で愛され続けている木製モンキー。手足が可動するためいろいろなポーズが取れ、さまざまな場所にぶら下げることもできるオブジェです。「丸みがあり、柔らかく手に持った時の心地よさを大切に」というデザイン哲学のもと今でも一つひとつ手作業でつくる木のぬくもり感や、ユニークでかわいい表情にも魅了されます。
生みの親であるカイ・ボイスンは、20世紀のデンマークを代表する著名なデザイナーの1人。もともとは銀細工師としてキャリアをスタートしました。しかし、自身に長男が誕生したことを機に、玩具などの子ども向けのデザインや木の魅力に目覚め、熱中します。そんな中、「子ども用フックを製作してほしい」という依頼を受けて誕生したのがモンキーでした。もともとモンキーは、大人用ハンガーにぶら下げることで背の低い子どもも服をかけられるようにするためのフックだったのです。
現在はオブジェとして販売されており、衣服をかけられるほどの強度はありません。それでもなお人々から愛されているのは、オブジェとしての完成度の高さと、何より良き父でもあったカイ・ボイスンの子どもへの想いを感じるからかもしれません。
さまざまな動物や人をモチーフとした彼の木製品は、どこに飾っても自然と馴染み、いつも家族のそばで優しく微笑みかけてくれます。そうして思い出の詰まった一つの木のオブジェは、親から子へ、子から孫へと引き継がれ、世代を超え唯一無二のものへ変わっていきます。
スウェーデンハウスの木の家もそうありたいと考えます。幸せな思い出を幾重にも重ねて、家族にとってかけがえのない心の拠り所となることを願っています。