毎年12月13日が来ると、スウェーデンでは[聖ルシア祭]が開かれる。
この時期は太陽が朝遅くに昇り、午後はあっという間に暗くなる。
子ども達は、朝暗い中を学校に行き、下校時も暗い。
一日中ほとんど暗いと感じるくらいだ。
そんな頃に光の祭り(ルシアはラテン語のLux、光の意)がやってくる。
都市や各地の学校、保育園、公的な場所では、伝統的な衣装の少女達が闇を払うようにキャンドルを掲げ練り歩く。
子どもも大人もみなが笑顔になってしまう明るい光の祭りだ。
南欧にも、この祭りがあると聞くが、北極圏に近く、暗く寒いスウェーデンでの[ルシア祭]は、まさに救いの光の祝い事だと私は思う。
Profile
深井せつ子
画家。北欧絵本に『イェータ運河を行く』、『風車がまわった!』、『森はみんなの保育園』、『スウェーデンの変身する家具』、他の地域の絵本に『一枚の布をぐるぐるぐる』など(全て福音館書店発行)。2021年4月に『児童文学の中の家』(エクスナレッジ)、2024年1月に『まど・窓・まど』(福音館書店「月刊たくさんのふしぎ」)、2025年9月に『風車と水車』(福音館書店「月刊たくさんのふしぎ」)を出版。
▼https://www.instagram.com/setsukofukai/
