スウェーデンハウスができるまで 新しいおはなし!

vol.5 ずっと快適に暮らせる「木の家」の構造を知る【 通気工法 】編

スウェディちゃんが家族と暮らすスウェーデンハウス。
その家づくりには細やかな施工手順や作業の工夫があります。
大好きな自分のお家がどのようにつくられていくのか、
強さや快適さの理由を、ムース先生と一緒に探ります。

前回では、床・壁・屋根まで組み上がったよね。
そして一体化したモノボックス®構造の
強さの理由を学んだね。
今回は、その強さや性能を維持するために欠かせない
「通気工法」のことを学んでいくよ。

スウェディちゃんのお家のまわりには、
通気するための、いわば
「風の通り道」があるんだ。

風の通り道
すごいヒミツがありそうだ!

その通り!!
「長寿命の家」を叶える工夫があるんだ。
じゃあ、そもそも家にダメージを及ぼす
原因になるものって何か?から話していくよ。

ムース先生

家のダメージの一因となる「水」

家に及ぼすダメージの原因となるものは、地震や台風、シロアリによる食害や強い日射など…さまざま。その中でも「水」は大敵です。

「水」は、雨や水蒸気、湿気、結露など、さまざまに姿を変えて建物や構造躯体に浸入しようとします。台風やゲリラ豪雨などの横殴りの雨、地面からの水蒸気や夏の外気が含む湿気など…。これらを浸入させないために、日本の気候において1年を通しての「水」への適切な対応が必要です。同時に室内で発生する水蒸気や結露などの対策が施されることも肝心です。

じゃあ、この中で結露の話をしよう。
結露は冬の窓に起こるものと
思われがちだよね。
でも実は、夏にも結露は起こり得るんだ。

ムース先生
壁の中で起こり得る夏型結露

夏の高温多湿な外気と、冷房による室内の空気。この温度差によって壁体内で起こる結露を夏型結露と言います。特に西面などの外壁に強烈な日差しが当たっているなか、室内ではしっかり冷房が効いている、といった状況では一時的に結露が起こり得るため、常に通気して余分な湿気を排出することが必要です。

木材は、健全な状態だと長持ちするけど、
結露に限らず湿気など
「水に濡れたまま」の状態で放置してしまうと、
腐朽菌やカビが発生し、建物の耐久性に
影響を及ぼす危険性にもつながってしまう。
それだけでなく、ぜんそくやアレルギーなど
人への健康被害も誘発してしまうんだ。

え!? たいへん!
ちゃんと対策しないとダメね!

だから
通気を良くして、
建物を乾燥状態に
保つことがとても大事なんだ。

そこで、「通気工法」が効果を発揮するよ。
くわしく知ろうね!

ムース先生

通気を良くし、建物を乾燥させる「通気工法」

スウェーデンハウスには、家を健全に長持ちさせるための工夫として、通気層を備えています。

[ スウェーデンハウスの通気工法 概念図 ]
スウェーデンハウスの通気工法 概念図
左:スウェディ 壁体内通気1 壁体内通気2 壁体内通気3
壁体内通気3
壁体内通気3
壁体内通気4 壁体内通気5 壁体内通気6 壁体内通気7
室内換気1
室内換気2
室内換気3
室内換気4 中央:スウェディ&ムース先生
右:スウェディ
地面湿気
床下の通気1 床下の通気2 床下の通気3 床下の通気4
躯体の乾燥を保つ
乾燥状態を保つ
【壁体内通気システム】

外壁パネルと外装材の間に設けられているのが通気層です。この通気層には、下から上へ常に空気が流れて、最後は屋根の換気口から外に出ます。

図で確認

室内の水蒸気対策
湿気を排出する
【24時間換気システム】

日常生活する室内でも、浴室などの水回り、キッチンでの料理、そして人が呼吸する時にも二酸化炭素などと一緒に水蒸気が発生します。汚れた空気や室内の湿気は、24時間熱交換型換気システムで外に排出し、部屋の隅々まで新鮮な空気と入れ替えています。

図で確認

床下の湿気対策

地中から発生する水蒸気は、地面に防湿フィルムを敷くことで、シャットアウト。さらに基礎と土台の間には基礎パッキンを、家の外周にぐるりと施工。床下にも「風の通り道」をつくって、全周換気をしています。

図で確認

「24時間換気」の要となる気密性能

室内の隅々まで計画的に換気をするためには、高い気密性能が必要です。そうでないと空気の流れをコントロールできず、あらゆる隙間から抜けてしまうからです。スウェーデンハウスは、高い気密性能を実現。汚れた空気や湿気も滞らせることなく排出して、室内の空気環境を良質に保っています。

ジメジメしないお部屋で、
気持ちいい空気をいつも吸えているのね!

スウェディちゃん

壁から屋根まで、そして床下にも
建物全体にわたって通気をする。
そして室内の湿気もきちんと外に出す。
常に、家全体を乾燥状態に保つ仕組みがあること、
わかったかな?

ムース先生

じゃあ、次は建物を乾燥状態に保つ
通気工法の仕組みを探っていくよ!

「通気工法」の仕組みを見てみよう!

基礎パッキン

屋 外

「透湿防水シート」で、
雨水の浸入を防ぐ

「透湿防水シート」は、水分(分子が大きい)は通さず、水蒸気(分子が細かい)は通す性質を持ちます。

雨水など外からの水滴は建物に浸入させない。
外壁パネルの中の空気に含まれる
わずかな水蒸気(湿気)は通して、
通気層の空気の流れに乗って、軒天換気口や
棟換気口から屋外に排出される仕組みだよ。

建物を乾燥状態に保つPOINT ムース先生

室 内

「防湿気密フィルム」で、
壁体内への湿気の浸入を防ぐ

「防湿気密フィルム」は、水分も水蒸気も通しません。生活する上で発生する水蒸気(湿気)が、壁の中に浸入するのを防ぎます。

これがないと、室内で発生した水蒸気が
壁体内に入り込む危険性が高まってしまうんだ。
スウェーデンハウスが採用している防湿気密フィルムは、
耐久性・防湿性に優れた0.2ミリ厚のもの。
一般的なフィルムの2倍の厚みがあるよ。

建物を乾燥状態に保つPOINT ムース先生
外壁パネルの外側の
「構造用合板」

「構造用合板」は、ゆっくりではあるものの、水分を透過する性質があります。

万が一、壁の内側などに
水蒸気が浸入してしまった場合でも、
少しずつ、その水蒸気を
外に逃がすことができるんだ。

ムース先生

通気層は、家全体の「通気を良くする」ことはもちろんだけど、
その他にも役割があるよ。

「外からの熱の伝導を抑える」
夏の高い外気温や日射で高温になる外壁材の熱を、
室内に直接伝えない役割を担っているんだ。

「雨水を排出する」
台風などの激しい雨が外壁材の隙間から浸入しても、通気層の下から排出するんだ。

column1グラスウールのおはなし

スウェーデンハウスの
環境の中で、
優れた性能を発揮

壁の内にある断熱材(グラスウール)は、ガラス繊維。素材自体に吸湿性はほとんどないので、壁の中の乾燥が保たれた健全な環境下で、優れた断熱性能をずっと発揮し続けます。

column2木材のおはなし

しっかり乾燥させた
木材を使い、強く長寿命な
「木の家」に

スウェーデンハウスでは、含水率(※1)平均15%以下の木材を使用しています。一度、しっかりと乾燥をさせた木材(※2)は、表面が濡れたり一時的に湿気を含んでも、元の状態に戻ろうとするので、木材そのものの劣化から家を守ることにもつながります。さらに建物を乾燥状態に保つ通気工法によって、木材はゆっくりと乾燥が進み、スウェーデンハウスの構造材は、年を経るほど強度が高くなります。

※1:木材に含まれる水分の割合のこと。1%下がるごとに強度が4%アップします。
※2:使用環境とつり合った状態の含水率を平衡含水率といいます。一旦、平衡含水率に至ると安定し、大きな変動がなくなり、万一表面が濡れても、元の状態に戻ります。

経年変化レポートについて
くわしくはこちら

木材、壁の中、そして家全体に
乾燥を保つ独自の工夫を凝らしているんだ。
強さや快適な性能がずっと続いて、
「長寿命の家」を叶える仕組みがあったね。

ムース先生

見えないところに、
とっても大切なヒミツがあった!

スウェディちゃん
ムース先生のまとめ

スウェーデンハウスは、新築時と変わらない安心・快適な暮らしがずっと続く、日本の気候風土に適した住まいを追求しています。そのために、家のダメージの一因となる「水」への対策として、創業時から「通気工法」を採用しています。一年中どんな環境でも、建物を乾燥した状態に保つことで、家も人にも健康な住まいを叶えています。