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mjuk

Column from Sweden

北欧の暮らし

第67回
Mysig/あなたのミューシグを教えて下さい

ミューシグ/mysigとは、居心地のよい空間で気持ちが落ち着き、心からリラックスできることを表わすスウェーデン語の形容詞です。今回「あなたのミューシグ」をお聞きしたのは、北極圏に近いUmeå/ウメオを拠点とし、The pattern landscapeというデュオで活躍しているグラフィックデザイナーのカイサ・ニルソンさんと、テキスタイルデザイナーのジェニー・グルフマンさんです。スウェーデン北部の厳しく美しい自然の瞬間を切り取った写真や、そこからインスピレーションを得た作品を掲載している彼女たちのインスタグラムに魅了され、季節感のあるミューシグを伺ってみました。「スウェーデン北部の季節の移り変わりの景色はそれは美しいものです。森の木々が色づき始めると、サンドイッチと温かいココアをいれたポットとカップを持って森に向かいます。ベリーやキノコを探したり、フィーカに最高の場所を見つけたり、そんな秋の森での時間にはたくさんのミューシグなシーンが見つかります。」美しい森や自然の景色が彼女たちの作品のインスピレーションになり、そんな場所を見つけた時にミューシグを感じるそうです。特に森の中でスケッチをしながら温かい飲み物をいただくフィーカタイムは最高のミューシグだそう。北部では、ストックホルムよりもひとあし先に秋がやってきます。長い冬に入る前に、できるだけたくさんの鮮やかな自然の色を見納めしておくのもミューシグなひとときです。

写真:秋の森でスケッチをしながらのフィーカタイムは最高のミューシグ


The pattern landscapeのインスタグラム
https://www.instagram.com/thepatternlandscape/

・・・・ストックホルム郊外のイケア店舗・・・・

ストックホルムのイケアは郊外に2店舗がありますが、特徴的なのはクンゲンスクルヴァ/Kungens Kruvaにある円形の店舗です。この店舗は創業地であるエルムフルトの一号店に次いで、1965年に二号店としてオープンしました。円形の建物はニューヨークのグッゲンハイム博物館からインスピレーションを得ています。店内に入ると長いエスカレーターがあり、最上階のリビングルーム売り場まで一気に昇ります。そして商品を見ながら円形の建物をまわるように降りてきて、地上階で商品を取り出す倉庫を通って支払いのレジに向かいます。セルフサービスのレストランは最上階にあります。片付けも各自が行いますが、ここで捨ててよいのは燃えるゴミだけで、食べ物の残りはバイオガスにリサイクルするため、そのままトレイに残しておきます。イケアは2019年のスウェーデンで最もサステナビリティな企業に選ばれました。サステナビリティは「人と地球環境に配慮すること」を指します。イケアの持続可能な素材選び、よい品質、多様性と平等への取り組みは、スウェーデンで高い評価を得ており、店内でも環境に配慮している様子が伺えます。イケアでは買い物が終わってから最後にいただくホットドッグが定番ですが、ここでもヴィーガンのホットドッグが売られるようになり、環境保護意識の高い人々から支持を得ています。

写真:円形の建物が特徴のイケア、クンゲンスクルヴァ店

・・・・イケアキッチンのシティーショールーム・・・・

毎年秋になるとイケアのカタログが家に届きますが、2020年のカタログは、昨年に比べてひとまわり大きくなりました。デジタルの時代に自宅にカタログが届くのは新鮮な気分ですね。さて、今回はストックホルムにあるイケアの実店舗についてご紹介したいと思います。ストックホルムには郊外に2つの店舗と、都心に「IKEA KÖK/イケアキッチン」というキッチンに特化したシティーショールームがあります。家の心臓部であるキッチンは多くの人々にとって大切な場所であり、予約をすればスペシャリストにキッチン設営のアドバイスを受けることができます。ショールームには水道の蛇口からドアの取っ手まで、さまざまなデザインや素材が取り揃えられていますが、アドバイスとインスピレーションを受ける場所で、買い物をすることはできません。イケアでは、ネットや店舗のインテリアを通してさまざまなタイプのキッチンを提案しています。日本のイケアでも同様の提案がありますが、スウェーデンのイケアでは、キッチンにおいても具体的な家族構成までを想定しています。例えばBluetoothスピーカーも取り入れたモダンなキッチンは、自宅で仕事をする子どものいない共働きの夫婦を、居心地のいいミューシグで都会的なキッチンは子どもと一緒に健康的なライフスタイルを送る若い夫婦、黒い水玉模様の壁が特徴の個性的でスタイリッシュなキッチンは10代の娘を持つシングルマザーを想定しています。インテリアは成長する、とスウェーデンの人々はよく口にしますが、変化する家族構成やライフスタイルに合わせてキッチンも柔軟に変えていきます。

写真:ストックホルム中心地にあるイケアキッチンのギャラリー


山本由香(デザインコンサルタント)

ライター:山本由香(デザインコンサルタント)

1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。

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