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Column from Sweden

北欧の暮らし

第44回
諸聖人の日

木々が黄金色や紅色に彩られた美しい紅葉も終わり、10月の最終日曜日に時計の針を1時間遅らせ冬時間になると、北欧では本格的な冬が始まります。少々憂鬱な気分になる11月は、墓地にキャンドルが灯される諸聖人の日から始まります。諸聖人の日はスウェーデン語で「Alla helgons dag(アラ・ヘルゴンズ・ダーグ)」と言い、10月31日から11月6日の間の土曜日がその日に当たります。2017年は11月4日の土曜日で、前日の金曜日から日曜日までの3日間は多くの人々が墓地を訪れました。ストックホルムで最も大きな墓地は、世界遺産にも登録されている「森の墓地」です。花崗岩で作られた十字架の近くではたいまつが焚かれ、十字架の向かい側にある瞑想の丘にはたくさんのキャンドルが灯されます。この時期になると、スーパーでは外で灯しても消えないふた付きのキャンドルがたくさん売られます。諸聖人の3日間は、まるで日本のお盆のように、多くの人々がキャンドルを持って墓地を訪れます。暗くなるのが早くなる11月は、墓地に灯される数千のキャンドルがさざ波のように揺れ動き、幻想的な雰囲気の中で故人の魂を弔います。

写真:森の墓地の瞑想の丘にキャンドルを灯す人々

・・・・2017年のグロッグ・・・・

日々寒くなってくると、温かいものが恋しくなります。冬は身体を芯から温めてくれる伝統的な飲み物「グロッグ/Glögg」が美味しい季節です。ワインにお砂糖とスパイスを加えて、お手製のグロッグを作ることもできますが、スウェーデンの老舗メーカーBLOSSAでは2003年から毎年新しい味のグロッグを発表していて、最近はさまざまな場所をテーマに味を開発しているようです。2017年のテーマに選ばれた場所はインドのオールド・デリーです。オールド・デリーにあるアジア最大のスパイス市場をイメージして、スパイシーなクミンとホットチリ、インドの完熟マンゴーをミックスした味に仕上がりました。ボトルのデザインは、インドの昔ながらの看板や、古い工芸、建物のペイントがモチーフです。シナモン、カルダモン、ジンジャーという北欧の定番スパイスで作られるグロッグが、スパイスの本場インドのクミンやチリなどと調和される味には興味がそそられます。真冬のクリスマスに、灼熱の太陽を感じられるような味が楽しめそうです。

写真:2017年のグロッグは、ホットチリ、クミン、マンゴーの味

・・・・クリスマスイルミネーション、11月25日より・・・・

日々日照時間が短くなる11月下旬になると、クリスマスイルミネーションが待ち遠しくなります。2017年のストックホルムのイルミネーションは11月25日からライトアップが始まりました。70万個を超えるエネルギー効率のよい照明を使い、ヘラジカ、トナカイ、星などのイルミネーションが35の通りや広場に灯されます。12月は午後3時には暗くなってしまうストックホルムですが、その分イルミネーションを長く楽しむことができます。stockholmsjul.seというストックホルムのクリスマスのウェブサイトでは、イルミネーションのマップを用意し、市内の散策を推奨しています。2016年はあちこちにあるイルミネーションを訪れて、フェイスブックでクイズの答えを募ったり、画像を投稿したり、一般の人々が楽しめる企画がありました。2017年もまたイルミネーションマップで人々を楽しませてくれることでしょう。北欧のライトアップは派手さはなく、温かみのある暖色の光が主流です。安堵感があり、心をほっこりさせてくれるライトアップは、冬の楽しみのひとつです。

写真:ニーブロプランという船着場にライトアップされる等身大のヘラジカ

山本由香(デザインコンサルタント)

ライター:山本由香(デザインコンサルタント)

1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。

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