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Column from Sweden

北欧の暮らし

第42回
秋に実るベリー類

秋に豊富に実るベリーは、北欧の大切な自然の恵みです。スウェーデンには自然享受権(allemansrätten/アッレマンスレッテン)という自然環境の享受を認める権利があり、土地の所有者に損害を与えない限り、森に実るベリーやキノコ類は誰でも自由に採っていいのです。野生のブルーベリーは、小指の頭ほどの大きさの実が森の地面を這うようにたくさん実ります。ミートボールに欠かせないリンゴンベリーも森でたくさん採れますが、そのままでは酸っぱいので、砂糖漬けにしていただきます。ラズベリーは森よりも草原でよく見かけます。オレンジ色のクラウドベリーは、北部でしか見つからない貴重なベリーです。2017年、北欧の夏はあまり暑くならなかったので、野生のブルーベリーは実が小さめですが、冷夏でもよく育つクラウドベリーはこれまでにない豊作だったそうです。新鮮なベリーはこの時期ならではの旬の味です。摘み取ったベリーは朝食のシリアルに入れたり、ジュースにしたり、ジャムにしたり、パイを焼いたりして、採れたての秋の味覚を楽しみます。

写真:森の地面に実る野生のブルーベリー

・・・・キノコ狩り・・・・

収穫の秋といえば、ベリー摘みのほかにキノコ狩りが欠かせません。ベリーは森のあちこちで見つかるので誰でも簡単に収穫できますが、キノコは毒キノコの判別ができないと危険なので、必ず専門家と一緒に収穫します。いちばんわかりやすい食用キノコはカンタレッラ(アンズ茸)ですが、森の奥深くにいかないとなかなか見つからないそうです。夏の終わりにエーランド島に行き、キノコ狩りを体験しましたが、その際にキノコに詳しい知り合いが大草原の中でマッシュルームを見つけました。初めて見る真っ白で大きなキノコは、私が知っているマッシュルームとはずいぶん異なりましたが、香りや味は確かにマッシュルーム。黄色いカンタレッラは自分でも見つけることができました。スウェーデンで最も人気が高いのは、カールヨハンという茶色くて大きなキノコです。自然の中でしか育たないため、このキノコを見つけると誰もが自慢しあいます。北部のスウェーデンでは松茸も採れるらしく、キノコ図鑑にも掲載されています。いつか森に生えるカールヨハンや松茸を見てみたいものです。

写真:天然のマッシュルームは白くて大きい

・・・・コロニーロットの収穫祭・・・・

春にガーデニングの準備をしたレンタルガーデンのコロニーロットでは、この時期になると仕上げの収穫祭が行われます。先日、湖を見渡せる大きなコロニーロットの収穫祭に行ってきました。出展者たちは、丹誠を込めて育てた自慢の収穫物をお披露目します。リンゴやトマトの品種を解説しているブースでは、辞典まで開いてあれこれと説明してくれます。ほぼ毎日いただいているリンゴやトマトにたくさんの品種があることに驚き、もっと詳しく知りたくなってしまいます。それぞれに見た目は似ていますが、味を比べてみると品種ごとに微妙に異なります。会場には、コロニーに咲いている花をブーケにしたり、手作りの濃縮ジュースやジャム、ハーブをブレンドした塩、収穫物を使った手工芸品などが売られています。ガーデニング好き同士の意見交換も尽きず、あちこちで人が集まっては品評会が行われています。
これから秋が深まるストックホルム。収穫祭は、まだ太陽があたたかく感じられる夏の終わりを締めくくる絶好のアウトドアイベントです。

写真:お天気のいい日に湖沿いのコロニーロットで開催された収穫祭

山本由香(デザインコンサルタント)

ライター:山本由香(デザインコンサルタント)

1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。

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