mjuk

Column from Sweden

北欧の暮らし

第40回
ストックホルム郊外のサマーハウス

スウェーデンにとって最高の季節である7月には、多くの人々が1ヶ月ほどの夏休みをサマーハウスで過ごします。ストックホルムから車で1時間ほどの湖畔にある、サマーハウスに友人を訪ねました。本来の持ち主は高齢でサマーハウスの手入れができないため、草刈りや家の手入れをしてくれるならと、格安で借りているそうです。お天気もよかったせいか、青い空が湖に反射した美しい光景が目に飛び込んできました。サマーハウス暮らしでは自給自足が理想です。広い庭には岩を利用した温室があり、ここで野菜などを育てているそうです。お手洗いも穴を掘っただけの自然トイレで、用を足した後には木屑をかぶせます。バスルームもありますが、夏の間は湖での水浴びがシャワー代わりになります。水がきれいなので、水浴びした後はさっぱりします。室内には昔ながらの暖炉があり、夜が寒くなる北欧の夏では、暖炉に火を入れることもあります。自然と一体化した暮らしを1ヶ月間もすると、身も心も完全にリフレッシュします。このサマーハウスはストックホルムから近いので、夏休み以外の時期でも、週末に訪ねることも多いそうです。

写真:広い敷地内に建つサマーハウス

・・・・スウェーデンの西海岸にある島スティルスエー・・・・

スウェーデン西南地方にあるイェテボリから、船で30分ほどのところに位置するスティルスエー(Styrso)島に、知人のサマーハウスを訪ねました。島には車が入れないため、人々はイェテボリの港に車を止め、荷物を担いで船に乗り込みます。船上から青いバルト海が視界に広がります。西海岸の島は石や岩が多く、緑の多いストックホルムの群島とは異なる景色です。島内での移動手段は自転車かスクーター、またはゴルフカートです。車のない環境は静かで空気がきれいなため、休暇を過ごすには最適です。訪ねたサマーハウスは、知人がお祖父さまから譲りうけたもので、改装は全て自分たちで行ったそうです。長い時間をかけて、壁紙もペイントもお気に入りの色で仕上げていました。サマーハウス暮らしでは、家をつくり上げることも生活の一部です。この島には1300人の住民がいて、一年中ここで暮らす人たちもいるそうです。船に30分乗れば都市のイェテボリに着くので、ここから通勤している人もいるのだとか。都会と島を行き来できる暮らしは、なんともうらやましいですね。

写真:イェテボリの港からスティルスエーに向かう西海岸の景色

・・・・エーランド(Oland)島のサマーハウス・・・・

エーランド島は、スモーランド地方のカルマルから橋で繋がっている細長い島です。ここには親戚のサマーハウスがあり、よく夏休みに訪れます。ここのサマーハウスには母屋と離れ、貯蔵小屋、道具小屋、自然トイレ小屋、燻製小屋、温室があります。母屋には水洗トイレもありますが、できるだけ庭にある自然トイレを利用します。生ゴミはコンポストに、紙ゴミは暖炉にと、都会暮らしに比べてゴミの量がグッと減ります。バルト海に囲まれた島なので、魚が豊富に獲れ、港には魚売り場があります。数は少ないですが天然のウナギも獲れるそうで、燻製やボイルしたものが売られています。夏の間はレストランやお店もオープンし、外食やショッピングも楽しめます。エーランド名物のスパイスで味付けされた細切れ肉を包んだジャガイモ団子のクロップカーカ(Kroppskaka)は、リンゴンベリーと溶かしバターでいただきます。また、褐色で少し甘みのあるエーランドリンパ(Oland limpa)というパンは、ベーカリーで焼きたてが買えます。サマーハウスに暮らしながら街中のように外食やショッピングを楽しめるのは、夏のエーランドならではです。

写真:庭にある燻製小屋


クロップカーカ(Kroppskaka)について詳しくはこちら
/mjuk/column/recipe_1610.html

山本由香(デザインコンサルタント)

ライター:山本由香(デザインコンサルタント)

1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。

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