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Column from Sweden

北欧の暮らし

第28回
夏の過ごし方

太陽が光り輝く最高の季節を迎える7月、スウェーデンでは、多くの人が夏休みを取ります。
都心のバスや地下鉄などの公共交通は、夏のタイムテーブルになり、1ヶ月まるまる閉店するレストランやカフェもあります。1ヶ月もの長い夏休みに何をするかというと、人々は自然の中にあるサマーハウスで過ごします。サマーハウスは森の中や湖の近くにあることが多く、かろうじて電気が通っているだけで、トイレは水洗ではなかったり、湖て?の水浴ひ?か?シャワー代わりになります。このように夏休みには自然とたわむれて、身も心もリフレッシュする暮らしを満喫します。特に子どものいる家庭では、サマーハウスで家族とともに過ごす時間は貴重です。テレビを置かず、夜は読書やゲームを楽しみ、忙しい日常ではなかなかできない家族同士のコミュニケーションを深めます。

写真:湖畔にあるサマーハウス

・・・・ゴットランド島・・・・

スウェーデンで最も大きいゴットランド島はスウェーデン人にとって憧れの場所であり、ここにサマーハウスを持つことがひとつのステータスにもなっています。ゴットランド島でもっとも大きな街であるヴィスビューは、バルト海で重要なハンザ同盟の中心都市であり、街を囲む要塞の壁が有名です。ヴィスビューは世界遺産にも登録され、アニメーション映画「魔女の宅急便」のモデルになった街としても知られています。スウェーデンの家というと木造住宅が主流ですが、ライムストーンと呼ばれる石灰岩で構成されたゴットランド島は木よりも石の産出量が多いため、住宅のほとんどが石造りです。7月にはバラの花が咲き中世の街を美しく彩ります。ストックホルムの人々の多くがここで夏休みを過ごすことから、都会的なレストランやお店も多く、都会のセンスと昔ながらの古い伝統とが調和した、独特の文化を持つ島です。

写真:バルト海を望むヴィスビューの街の風景

・・・・エーランド島・・・・

エーランド島は南スウェーデンのスモーランド地方にあり、ゴットランド島についで2番目に大きな島です。細長い形をしているので、ほんの少し歩けばバルト海にたどりつきます。エーランド南部の農業景観は世界遺産に登録されており、北部では旧石器時代の狩猟採集民族の存在が確認され、当時の住居が再現された広場もあります。バルト海では魚が豊富に獲れ、魚の加工品が港の市場で売られています。最近は数が減っていますが、天然のウナギも獲れ、燻製や茹でたものが出回ります。昔は漁師がたくさん住んでいたため、漁師用の古い木造家屋が今でも海沿いに残されています。島には平坦な道が多いので、森の道や海沿いをサイクリングすると、この島の魅力をもっとも堪能できるでしょう。

写真:エーランド最北にあるバルト海を臨む灯台

山本由香(デザインコンサルタント)

ライター:山本由香(デザインコンサルタント)

1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。

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