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Column from Sweden

北欧の暮らし

第23回
冬のたのしみ

・・・・Fettisdagen/太っちょ火曜日・・・・

2月から3月にかけて、冬から春へと向かうこの季節、欧米にはキリスト教にちなんだ「太っちょ火曜日」と呼ばれる日があります。
イギリスやアイルランドでは「パンケーキの日」と呼ばれ、スウェーデンでは「セムラの日」と呼ばれます。
セムラとはカルダモン入りのバンズの中身をくり抜き、アーモンドペーストとホイップクリームをたっぷり入れたお菓子で、イースターまでに行われる断食前のデザートとして食べられたのが始まりです。
この日、多くのベーカリーには、企業のフィーカ用のお菓子として大量の注文が入り、1日で数千個も売れるそうです。毎年ベストセムラがメディア上で選ばれ、様々なベーカリーが自慢のセムラを競い合います。

写真:ホイップクリームたっぷりのセムラ

・・・・Alla hjärtans dag/みんなハートの日・・・・

2月14日のバレンタインデーはスウェーデンでも特別な日です。
スウェーデンでは「Alla hjärtans dag/みんなハートの日」と言い、愛する人に贈り物をする日です。赤いバラやチューリップの花束を贈ったり、ロマンティックなディナーの時間を過ごしたり、親から子どもへ、または子どもから親へ、思いを込めた簡単な贈り物をします。「ハートの日」という名前から、ハートをかたどったお菓子が店頭にたくさん出回ります。チョコレートやお菓子もハートの箱に入り、この日はどこもかしこもハートで埋めつくされます。
スウェーデンのメディアが、「日本では、女性が男性にチョコレートを贈る習慣があり、スウェーデンの老舗チョコレートが日本のデパートで限定販売された」と伝え、スウェーデンの人々の興味を引いたこともあります。

写真:「みんなハートの日」のデコレーション

・・・・アイスホテルとアイスバー・・・・

北極圏のキルナには、冬を楽しむスウェーデンの人々の究極のアイデアといえるアイスホテルとアイスバーが、12月から4月までの間オープンします。
自然の恵みである川の氷と雪を使い、アーティストらの手によって氷の壁やフロアが作られます。氷はあたたかくなる春には溶けて自然に戻るため、毎年1回限りの美しくもはかないアートホテルです。100名を超える世界中のアーティストたちが、アイスホテルのデザインに応募します。常連や初めてやってくるアーティストらのアイデアから新しいデザインが生まれ、11月から12月にかけて氷のアートを仕上げていきます。
ストックホルム中央駅前のホテルには、1年中オープンしているアイスバーがあり、氷のグラスに入ったカクテルを出しています。ここでも美しい氷のアートを楽しむことができます。

写真:2015年のメインホールは、サーメ族の神話や住居がテーマ

・・・・真冬のアウトドアの楽しみ方・・・・

気温が氷点下になることの多い真冬のスウェーデンですが、寒いからといって人々は家に引きこもることはありません。
週末には森や湖まで出かけ、スケートやクロスカントリーを楽しみます。湖に厚い氷が張ると、人々は専用のスケート靴を持参して長距離スケートを楽しみます。湖のスケート場は設備が整っているわけではありませんが、人々はどこまでも続く氷の上を自由気ままに滑ります。
学校や街中の広場では水を張って凍らせた即席のスケートリンクが作られ、子どもたちが気軽にスケートを楽しみます。また、平地の多いストックホルムでは、ダウンヒルよりクロスカントリースキーが一般的です。
森に積もる雪には動物たちの足跡が残り、普段は見ることのできない動物たちの姿に思いを馳せながら、スキーを滑らせます。

写真:街中の即席スケートリンクにはたくさんの人々が集まる

山本由香(デザインコンサルタント)

ライター:山本由香(デザインコンサルタント)

1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。

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