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Column from Sweden

北欧の暮らし

第52回
夏の仕事模様

スウェーデンの会社では、6月から8月にかけて社員がそれぞれ時期をずらして休暇を取ります。7月に休暇を取る人が最も多いので、早くからスケジュールの調整を始めますが7月は働く社員が少なく、仕事の引き継ぎも十分ではないので、案件が頓挫してしまうことも珍しくありません。ブティックやレストランでも2週間ほど閉めるところがあり、まるで社会全体がストップしてしまったかのようです。
一方、人手が必要な職場では、休暇中の空いた席を埋めるために人を募集します。この仕事はsommarjobb(ソンマルヨブ)と言われ、春先から募集が始まり、高校生や大学生がたくさん応募します。ですから、夏の間はどこに行っても若い人たちが働いている姿を見る機会が増えます。卒業してすぐに就職する人が少ないスウェーデンでは、ギャップイヤー(卒業して就職するまでの期間)と呼ばれる間にソンマルヨブをする人が多く、これをきっかけに正社員になるケースもあるため、学生たちは早くから仕事探しに尽力します。

写真:夏の仕事(アルバイト風景)

・・・・長い夏休み・・・・

スウェーデンでは、学校は6月から長い夏休みに入り、職場でもミッドサマーを過ぎた頃から長期の夏休みを取る人が多くなります。1年の中でも一番気持ちの良い季節である夏は、田舎のサマーハウスやコロニーロット(市民農園)など国内に留まる人が多いのですが、外国に旅行する人もたくさんいます。
冬の長い北欧の人にとって一番人気がある旅行先は、やはり暖かい国のビーチです。20年くらい前まではスペインのカナリア諸島が人気No.1で、今も別荘を所有する人が少なくありません。
10年くらい前からブームになったのが、タイのビーチです。ヨーロッパの中でも特にスウェーデン人に人気が高いプーケットまでは、ストックホルムから直行便が出ているほどの人気リゾート地です。
そして近年、人気が急上昇している旅先は日本のようです。東京や京都、広島などの観光地以外でも、沖縄のビーチや、冬場のスキー場に訪れるスウェーデン人がここ数年うなぎ登りだとか…
スウェーデンでの日本ブーム、気になりますね!

写真:田舎のサマーハウスで暮らす家族

・・・・Skärgården(シェールゴーデン) アーキペラーゴ(群島)・・・・

スウェーデンの海岸沿いにはアーキペラーゴ(群島)と言われる無数の島が散らばる地域があります。スウェーデン語で「Skärgården/シェールゴーデン)」(小さな島の庭という意味)と呼ばれ、大小さまざまな島で構成されています。ストックホルムにあるバルト海に面したシェールゴーデンは国内最大級で、1700k㎡の海域に無人島も含め2万4千の島々が浮かんでいます。陸地部分は530k㎡で、そこに建つ1万戸が定住居、5万戸はサマーハウスとして使用されています。この数字をみれば、ここが人気のサマーハウスエリアだということは一目瞭然ですね。
サマーハウスが建てられ始めたのは1800年中期~1900年頃で、一部の上流階級の人たち、文豪や文化人の豪華なお屋敷でした。
その後、第二次世界大戦後からは20~50㎡ 程度の小さなサマーハウスがブームとなり、一般の人でも手に入れることができるようになりました。今でもほとんどは当時のままの建物で、大自然の中での原始的な生活を楽しむ人が多く、水道や水洗トイレのないサマーハウスも珍しくありません。
ストックホルムの街の中心から群島へ向かう船には複数のルートがあり、観光客も群島巡りができます。車や電車とはちがって、ボートという交通手段は水の都ならではの夏の楽しみ方です。

写真:スウェーデン南部の群島 Bottna

見瀬理恵子(イラストレーター)

ライター:見瀬理恵子(イラストレーター)

大阪総合デザイナー学院ファッションデザイン科卒。ペーター佐藤、安西水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。デザイン事務所勤務を経て、フリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。1995年ー2000年と2006年から7年間スウェーデンに在住し、娘二人の成人を期に2013年9月に帰国。

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