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Column from Sweden

北欧の暮らし

第51回
ドロップ・イン・ウェディング

ジューンブライドと言われるように6月はスウェーデンでも結婚シーズンです。ストックホルムの野外博物館スカンセンでは、毎年6月の第2土曜日にドロップ・イン・ウェディングというイベントが開催されます。式そのものは数分で終わる簡単なもので、予約の必要はなく、結婚したいカップルは列に並んで順番を待ちます。この日はスカンセン内の広場に小さなテントがたくさん立てられ、それぞれのテントの中で司式者が式を執り行い、カップルは誓いを立てます。日本のようにウェディングドレスを着た人はまれで、少しドレスアップした程度の人たちがほとんどです。熟年カップル、小さな子どもを連れたカップル、同性愛のカップルなど、さまざまなカップルが結婚式を挙げるために集まってきます。お化粧を施してくれるブースや、ウェディングブーケを作ってくれるブースもあり、手ぶらでも気軽に参加できるようです。ちょうど季節もよいので、結婚式の後はピクニック形式でお祝いをする人たちもいます。通常の結婚式も気軽な形式が多く、ドロップ・イン・ウェディングはカジュアルを好むスウェーデンらしいイベントです。

写真:式を挙げる白いテントがいくつも立ち、参列者などで人だかりとなる

・・・・ナショナルデー・・・・

1年のうちでもっとも美しい季節となる6月のスウェーデンは、さまざまなイベントが目白押しです。6月6日の独立記念日(ナショナルデー)では、国全体が国旗を飾って祝います。スウェーデンではカルマル同盟から離脱後、1523年にグスタフ・ヴァーサが国王に選出された6月6日を独立記念日としています。昔は国旗記念日と呼ばれていましたが、1983年にナショナルデーとなりました。ナショナルデーはどこに行っても青と黄の国旗色が目に入ります。旧市街にある王宮が一般公開され、王宮内や庭園を誰もが自由に見学することができます。王立公園にはアウトドアレストランが立ち並び、長い列ができて歩くのも大変な混みようです。この日は王室ご一家が揃って青と黄の民族衣装を身に付けて行事に参加されます。野外博物館スカンセンでの行事に参加するために、王宮から馬車で一般道を移動し、通りは黒山の人だかりとなります。ヴィクトリア王太子の長女エステル王女の愛らしい民族衣装の写真は毎年独立記念日に公開され、多くの国民が楽しみにしています。

写真:2017年のナショナルデーに公開されたエステル王女の写真

・・・・ミッドサマー(夏至)・・・・

スウェーデンの6月のイベントで欠かせないのがミッドサマーです。人々は日照時間が1年でもっとも長いこの日をクリスマスと同様、盛大に祝います。メイポールを立ててそのまわりで踊るというミッドサマーのお祭りの様子はどの地域も似通っていますが、メイポールは土地によってデザインが異なります。一般的なメイポールは十字にふたつのリングが飾られたものですが、歴史のある地域には、伝統的なメイポールがあります。スウェーデンでもっとも大きなお祭りが行われるダーラナ地方レクサンドのメイポールは、白いポールに白樺の葉で覆われたハートやリングが飾られます。ストックホルム郊外にあるソールンダでは、白樺に覆われた縦長のメイポールにわら細工が飾られます。伝統柄の民族衣装を身につけ、その土地で受け継がれているレシピで焼かれたソールンダケーキがふるまわれます。ケーキに施されるシンボルは生命や永遠などを意味するそうです。ストックホルムの野外博物館スカンセンでは毎年大きなメイポールが立てられ、多くの観光客を魅了しています。

写真:【左】ソールンダの伝統的なメイポール【右】シンボルが施されたソールンダケーキ

山本由香(デザインコンサルタント)

ライター:山本由香(デザインコンサルタント)

ライター:山本由香(デザインコンサルタント) 1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。

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