自由な彩りを重ねて、
我が家は私らしさを深める。
スウェーデンの人々は、
気持ちよく過ごせる空間を
自分の手で思いのままにつくり上げながら、
住まいを長く住み継いでいく。
北欧の家やインテリアに惹かれるのは、
そんな生き方への憧れそのものかもしれない。
愛おしい住まいでの暮らしを重ね、
私は、私の人生を豊かにしようと思う。
私が選んだ家、
それはスウェーデンハウス。
北欧の生活文化と美意識が息づく
インテリアは、時を重ねるほど
住まいと暮らしへの愛着を深めます。
北欧の生活文化と美意識が息づく
インテリアは、時を重ねるほど
住まいと暮らしへの愛着を深めます。
スウェーデンでは築後100年を超える家も珍しくありません。そこに住む人々は、日々お手入れや模様替えを楽しみながら、居心地のよい場所をつくり上げるのがスウェーデン流。そうして何世代にもわたって住み継がれ、家族とともに成長する住まいには、完成形というものがありません。手をかけるほど、そして年月を重ねるほどに、愛着はどこまでも深まっていきます。
長く厳しい冬に加え、年間の日照時間も短い北欧。冬の間、人々は陽差しに恵まれた季節を待ち焦がれます。暗く凍てついた季節を、安らかに、そして心豊かに過ごしたい。そうした思いに育まれたのが、自然のモチーフや幾何学模様を取り入れたミニマルデザイン、ニュートラルな色使いとアクセントカラーの組み合わせなど、温もりと明るさを感じさせる壁紙やテキスタイルのデザインです。
スウェーデン人の社会思想家エレン・ケイは、1897年の著作『Beauty in the Home(住まいの中の美)』で「美が人生を豊かにする」と語りました。この「美」とは、華美な装飾ではなく「lagom(ラゴム)/スウェーデン語で“ほどほど、ちょうどいい”の意」に象徴されます。物や自然への深い愛情・愛着を持ち、適度に慎ましい、日常のささやかな美を希求する美意識が、その原点にあるのです。
近代テキスタイルデザインの巨匠ウイリアム・モリスは、かつて「部屋に何を置くにしても、まず壁をどうするか考えよ。壁こそが家を本当の住まいにするからだ」と語りました。家具や照明だけでなく、大きい面積をしめる「壁」は住空間を彩る重要なインテリア。家を受け継ぎながら、自分たちの住空間をつくり重ねていくうえで、「壁」はとても大切な要素です。
スウェーデンの人々は室内の模様替えを、長く住み続ける我が家でのイベントとして楽しみます。そうした文化が根付いていることから、壁紙などのインテリア素材が素人でも扱いやすい仕様になっており、それらがホームセンターなどで手軽に入手できます。一方で、日本では壁紙の施工をプロに任せるのが主流。輸入品は1人でも貼りやすく、柄合わせもしやすいように幅が50㎝程度となっており、国産は職人が短時間で施工できるよう幅は90~100㎝の幅があります。こうした違いを上手に活かすと、インテリアの楽しみ方はますます広がります。
子どもが自立し、空いた部屋。
趣味の空間に模様替えしようか。
そう思い立って壁のクロスを剥がしかけ、
手が止まる。そこに顔を出したのは
まだ子どもが小さい頃、壁に落書きした
私たち夫婦の顔。少し大人になった頃、
落ち着いた柄を重ね張りしたんだっけ。
どうやらこの壁は、家族の大切な記憶を
守り続けてくれていたようだ。
お気に入りの服を身につけると、
ちょっと気分が上がるように。
お気に入りのデザインで彩った家は、
普段の何気ない暮らしでさえ
私の気分を上々にしてくれる。
柄にも色にも肌合いにも、本物に
こだわった空間はため息が出るほど美しい。
毎日の暮らしそのものが
いつしか私の作品になっていく。
カーテンだけを替えるつもりだったのが
あのクッションも、あの壁紙もと、
気付けば部屋をまるごと模様替え。
自分たちが居心地のよい場所を
つくるのだから、楽しくないわけがない。
ちょっとくらいの失敗なら、
それを見て笑い合えるほうが幸せ。
そうして手を入れれば入れるほど、
家への愛着はますます深まってゆく。
お部屋のコーディネートって、
もっと自分の好きにしていいと思う。
壁一面が同じ色じゃなくてもいいし、
お洒落な差し色をアクセントにしたり、
場所ごとにトーンを変えたり、
そんなアイデアが我が家を楽しくする。
シンプルな木の家は、
自在に思いを描けるキャンバスのように
私のセンスを解放してくれる。
BERSÅ(ベルサ)
【ボラスタペーター】
スウェーデンの陶芸家・デザイナーで、20世紀北欧デザインの巨匠とも呼ばれるスティグ・リンドベリが手掛けた古典的なベルソー(ゆりかご)モチーフをアレンジ。キッチンや子ども部屋、趣味の空間にもマッチします。同じ絵柄の陶磁器は1960年代から現在まで販売され、ミッドセンチュリーを代表するデザインのひとつにもなっています。
POTTERY(ポッタリー)
【ボラスタペーター】
1940年代の初頭に彫刻を手がけ、20年間にわたり大学で陶芸を指導したスティグ・リンドベリ。その陶芸家キャリアの初期と晩年の取り組みからインスピレーションを得た作品です。手描きの壺や花瓶がシンプルな背景に並び、見るたびに新しい形が感じられるような抽象的なパターンが特徴です。
POÈME D´AMOUR
(ポエム ドゥ アムール)
【ボラスタペーター】
1947年、スティグ・リンドベリがNKデパートの展示会に向け制作した遊び心あふれる柄です。マネージングディレクターのアストリッド・サンペは、この柄を気に入りテキスタイルでドレスをつくったほど。そのドレス用にあしらった磁器の花のネックレスとブレスレットは北欧博物館に展示されています。
TRAPEZ (トラペス)
【ボラスタペーター】
1950~60年代に活躍したデンマークの建築家・デザイナー、アルネ・ヤコブセンによる幾何学的なモチーフ。自然や建築から影響を受けたシンメトリーと反復性が感じられる柄は、彼の哲学である「機能美」の具現であり、空間そのものを演出する建築的な指向が表れています。
TROLLSLÄNDA(トロールスレンダ)
【ボラスタペーター】
デザイナー、ゴッケン・ヨブスが手掛けた「トロールスレンダ」、スウェーデン語で「トンボ」を意味し、北欧民話では「魔法の杖のような虫」「神秘的な森の精霊の使い」といわれます。ヨブス工房は1944年にスウェーデン中部のダーラナ地方でペール・ ヨブスにより創設された家族経営の手染め工房です。ゴッケンとリスベットの姉妹デザイナーによる、豊かな自然や動植物にインスピレーションを受けたデザインは、テキスタイルなど様々なインテリアに使用されています。
RABARBER(ルバーブ)
【ボラスタペーター】
花々の中にピンクの茎が印象的なデザインは、ゴッケン・ヨブスによるものです。ルバーブを中心に、様々な野草やハーブ、花々が美しく描かれています。このデザインには、自然を愛し、庭仕事や野草の観察を生活の一部としていたゴッケンの生き方が強く反映されています。
CORONNA(コロナ)
【フィンレイソン】
フィンレイソンは、北欧フィンランドで1820年に創業されたフィンランド最古のテキスタイルブランドです。約200年もの長い歴史と伝統を持つフィンレイソンは、寝装品、ホームテキスタイルを中心とした質の高い商品によって、国内外の人々に最高の住まい方を提供してきました。「コロナ」は、デザイナー、アイニ・ヴァーリによる1950年代のパターンです。「毎日の生活に美を」という当時のキャッチフレーズを象徴的に表わした、スタイリッシュでタイムレスなパターンです。
ELEEANTTI(エレファンティ)
【フィンレイソン】
1969年、フィンレイソンと芸術デザイン大学が共催したデザインコンペで、ライナ・コスケラが発表したデザイン。ウールの生地で作られたぬいぐるみのゾウにインスピレーションを受けたものです。2019年に50周年を迎え、ますます人気は高まっています。
TAIMI(タイミ)
【フィンレイソン】
「タイミ」とは「小さな植物」という意味です。伝統的な花々が咲き乱れる夕暮れ。種まきをしていると、どこからか聞こえる悲しげなスラブの歌。フィンレイソンのクラシックデザインのひとつであるこのパターンは、愛らしく、昔の懐かしい記憶を呼び起こします。 1961年、アイニ・ヴァーリによるデザインです。
STRAWBERRY THIEF(いちご泥棒)
【ウィリアム・モリス】
モリスの夏の別荘「ケルムスコット・マナー」の庭で、いちごをついばむ鳥たちを温かな目線で描いたモリスの代表作。合わせ鏡のような左右対称のパターン構成が特徴です。オリジナルはマートン・アビー工房において最初につくられた多色使いのインディゴ抜染プリント生地であったものを、壁紙で再現しました。
FRUIT 217086(フルーツ)
【ウィリアム・モリス】
1864年発表のモリスの初期三大壁紙デザインのひとつ。木の枝からぶら下がる熟したザクロといった果実や、流れるように伸びゆく枝がデザインに深みを与えています。オリジナルの「フルーツ」は地に模様が入っていますが、SIMPLY MORRISコレクションでは地模様をなくし、よりクリーンでフレッシュな印象に仕上げています。
WILLOW BOUGH 217088
(ウィローボウ)
【ウィリアム・モリス】
長い間人々から愛され続けるデザイン。オリジナルは1887年にウィリアム・モリスによってデザインされたファブリックです。絡み合う茎と繊細な柳の葉のタイムレスなデザインを、ベン・ペントリースの新たな視点によって、より豊かで柔らかなカラーで表現しました。
数百年も前に誕生した、伝統的な紙の壁紙ならではの深みのある上質なツヤ感や、ブランドやデザイナーそれぞれに個性ある色調・色彩の組み合わせの美しさ、有機的な曲線、生き物のモチーフなど、眺めるほどに見惚れてしまう独創的で彩り豊かなデザイン。それらのパターンは時を超えて受け継がれ、あるいは時代のライフスタイルや感情に寄り添う色彩で新たな魅力を湛えながら、長く愛され続けています。

遠目には単色、近づくと精緻な柄が見える壁紙に、クッションやソファの色調を揃え、空間全体を落ち着いた雰囲気に。地模様の壁紙は、ファブリックとのコーディネートがひときわ映え、部屋の味わいが深まります。こうして全体のトーンを整えながら、水まわりやニッチ、玄関ホールなどに個性あふれる柄の壁紙をあしらい、アクセントを加えるのも遊び心があって素敵です。
壁紙:MIRAGE(ミラージュ)

お気に入りのデザインでコーディネートを楽しむならプライベートルームがおすすめです。壁紙に使われている柄や色を、クッションや家具・小物など複数のアイテムと合わせることで、こなれ感のある空間が楽しめます。また、四面ある壁の一面だけ異なる柄を取り入れたり、大胆な柄や色彩の壁紙は扉付き収納の内壁にあしらったり、壁紙のアレンジひとつで毎日の暮らしがぐっとレベルアップします。
壁紙:PARADISE BIRDS(パラダイス バーズ)
輸入品の壁紙は、風合いや印刷の美しさから意匠性が高く、室内を美しく彩ることができる反面、紙製や不織布製のため、水はねや拭き掃除をするような場所には向いていません。一方で日本製の壁紙は塩ビやポリスチレン製が主流で、抗菌・消臭・防カビといった機能を備え、扱いやすいという特徴があります。壁紙を選ぶのも家づくりの楽しさのひとつ。それぞれ目的や必要な機能によって上手に選んで、インテリアをお楽しみください。