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Column from Sweden

北欧の暮らし

第16回
スウェーデンの夏休みと過ごしかた

・・・・夏休みのストックホルム・・・・

6月下旬の夏至祭を境に、スウェーデンでは多くの人が長い夏休みに入ります。ストックホルムの住人は街を離れてサマーハウスや旅行にと出かけます。それと入れ替えに旅行者が増え、街はまた別の賑わいをみせます。夏の間中、観光地やお土産店、大きなデパートは旅行者でいっぱいですが、レストランやブティックは3週間ほど休業するところも少なくありません。通勤や通学する人が減ることもありますが、何より交通機関のスタッフが減るせいで本数が少なくなります。時々平気で「乗務員不足のため、間びき運転をしています」などと放送されるくらいですから、本当に驚いてしまいます。こんなふうに街の中が少々暮らしにくくなるので、住人もどこかに逃げてしまうのかもしれませんね。

写真:観光客で賑わう旧市街地 Gamlastan

・・・・夏休みの意味・・・・

夏休みに入ると、人気のブティックや話題のレストラン等は軒並み、ホームページなどで7月中は休業との案内をしています。この時期のストックホルムで、せっかくたどり着いたお店に”Closed”の看板がかけてあるのを見て、がっかりした経験のある人もいるでしょう。私も初めて見た時は理解できず、さらに3週間という休みの長さにも驚きました!
スウェーデンでは、休暇中や時間外労働には通常の倍近い金額の手当を支払わなくてはいけません。そんな事情もあって夏の時期には、こうしてお店を閉めることになるのです。スウェーデンでは休暇は新しいアイデアを生みだす創造力や、働くモチベーションや効率をあげるために不可欠だという考え方をします。夏の休暇中にしっかりと充電して、秋からの仕事に備えるということですね。

写真:観光客の多い旧市街地でも閉まっているお店
 “STÄNGT” は英語の“CLOSED”の意味

・・・・真夏のLoppis(ロッピス)・・・・

スウェーデン語では、蚤の市のことを「ロッピス」といいます。夏の間は大規模なものからご近所限定の小さなものまで、スウェーデン国内で700以上ものロッピスが開催されるとか。友人のなかには、夏の間はスウェーデン国内のロッピスをキャンプしながら車で廻るのが楽しみという人もいます。売る人も買う人ものんびりと楽しんでいる風景は、スウェーデンならではの夏の風物詩といえるかもしれません。お目当ての陶器を探して歩くのもいいですが、ロッピスでは思いもかけない掘り出し物に出会うのが一番の楽しみ。昔は嫁入り道具のひとつだった手刺繍がほどこされたリネン、代々伝わる銀のカトラリー、古いポスターやお菓子の缶など、使いこまれたものを眺めていると、それぞれの歴史と、持ち主たちの愛着を感じます。遠い昔に思いを馳せて、ゆったりと過ごすのも夏休みの醍醐味ですね。

写真:街の中のロッピス

・・・・ガーデンカフェ・・・・

ストックホルムの街から少し外れたところには、生い茂る樹々の木漏れ日のなかでFikaできるカフェがいくつかあります。
日本でもファンが多いRosendalsträdgård(ローゼンダールガーデン)は地下鉄中央駅からトラム(路面電車)に乗って、ほんの20分。最も手軽なガーデンカフェです。もともとはローゼンダール城専用の農園だったこともあり、広い敷地内には野菜類のほかに花もたくさん咲いています。何よりここには林檎園があって、お天気のいい日には、林檎の木の下でピクニックする人たちでいっぱいになります。ここで収穫されたオーガニックの野菜や花を買い求めにくる人もいますが、多くはガーデンカフェでゆったりと過ごすために訪れます。カフェではオーガニックの野菜やフルーツを使った美味しいケーキやパイが大人気。また温室を利用した室内カフェやブティックもあるので、お天気が悪い日でもmysig(ミューシグ/心地よい)な時間を過ごせます。
*Fika(フィーカ)・・・お茶をするという意味のスウェーデン語

写真:ストックホルム郊外にあるガーデンカフェ
Zetas trädgårdscafèet
(セータス・トレーゴーズカフェ)

見瀬理恵子(イラストレーター)

ライター:見瀬理恵子(イラストレーター)

大阪総合デザイナー学院ファッションデザイン科卒。ペーター佐藤、安西水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。デザイン事務所勤務を経て、フリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。1995年ー2000年と2006年から7年間スウェーデンに在住し、娘二人の成人を期に2013年9月に帰国。

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