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Column from Sweden

北欧の暮らし

第14回
ガーデニングいろいろ

・・・・5月の庭・・・・

スウェーデンでは、春の庭づくりを前年の夏が過ぎた頃から始めます。
クロッカスや水仙やチューリップの球根は、土の中でひと冬を越します。4月の終わりには冬の間蓄えておいたエネルギーを一気に放つかのように、硬い土から元気な芽を出し、それから膨らんだつぼみを次々と咲かせます。5月にはコデマリの茂みが真っ白になり、定番の紫色のライラックの花と共に庭を囲みます。赤やピンク色のバラは、庭の入り口のアーチを飾ります。ジャスミンの甘い香りが庭中に漂い、ミツバチの羽音が心地よい春の庭は、少し肌寒くてもブランケット1枚あればいつまでも座っていたい場所です。

・・・・温室・・・・

スウェーデンをはじめ、ヨーロッパの気候は毎年驚くほど異なります。特に春は気温の変化がはげしいため、庭に温室を作って植物を育てる人がたくさんいます。また、庭に張り出したテラスをガラス張りにして、花が咲き乱れるダイニングルームにする事もあります。温室は寒さから野菜やハーブ類を守るためだけでなく、家の庭までやってくる鹿などの野生動物に、食べられてしまわないよう保護するためでもあります。ハーブ類専用の小さな温室を自作する人もいて、そこはDIYが得意なスウェーデン人の腕の見せ所です。蚤の市で買った古い窓枠を組み立てて作った温室は、まさに目から鱗!そのセンスの良さに改めて感心してしまいます。

・・・・バルコニー・・・・

100年以上前に建てられたストックホルムの古いアパートには狭いバルコニーしかありません。バルコニーに洗濯物を干す習慣がないスウェーデンでは、そこにテーブルと椅子を置き、周りをお花でいっぱいに飾ります。最近建てられた新しいアパートは、広いバルコニーがトレンドで、ゆったりしたスペースには、花だけでなく野菜やハーブ類、チリ等のスパイス類を栽培している人も多いようです。寒い冬の間も太陽が浴びられるよう、バルコニーをガラス窓で囲って温室のようにしているアパートもあります。もちろん春にガラス窓をいっぱいに開けば、清々しい空気が溢れます。バルコニーの椅子に座り、そこで育てたハーブを摘んで淹れたお茶をゆっくり楽しむ時間は、至福のひと時ですね。

・・・・コロニーロット・・・・

スウェーデンの都市周辺にはコロニーロットと呼ばれる市民農園があります。100年ほど前、都市に住む人の健康のため、市や県が食料になる野菜や果物を育てる土地を提供したことから始まったそうです。現在は、週末に簡単にアクセス出来ることでも人気が高まり、コロニーロットの借用権を得るには何年も待つのだとか。
雪が解けると土を耕し始め、様々な野菜や花の種をまいて、週末ごとにその成長を楽しみます。
敷地内に小屋風の建物が建っているコロニーロットもあり、長い休暇をそこで生活する人も大勢います。庭で採った野菜をお料理したり、木陰でFikaしたり…一日中思う存分、植物と過ごすことができる特別な場所です。

見瀬理恵子(イラストレーター)

ライター:見瀬理恵子(イラストレーター)

大阪総合デザイナー学院ファッションデザイン科卒。ペーター佐藤、安西水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。デザイン事務所勤務を経て、フリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。1995年ー2000年と2006年から7年間スウェーデンに在住し、娘二人の成人を期に2013年9月に帰国。

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