mjuk

Column from Sweden

北欧の暮らし

第11回
エコ、環境について

・・・・リサイクルのシステム・・・・

環境先進国であるスウェーデンでは、ゴミのリサイクルがしやすいようにさまざまな工夫がされています。集合住宅地に設置されている分別ゴミ箱は、新聞雑誌、ダンボールや紙類、透明ガラス、色つきガラス、金属、プラスチックの6種類に分かれていて、いつでも好きな時に捨てることができます。最近では衣類や靴のリサイクルボックスも設置されるようになり、古着などがいつでも処分できるようになりました。ペットボトルや缶類はデポジット制になっていて、商品を購入する時に費用が加算され、回収マシンに使用済の容器を返すとお金が戻ってきますので、むやみに捨てられることはありません。また、スーパーの野菜は量り売りが主流で、食品類も簡易包装が多く、ゴミが少なくて済むことも消費者にとってはありがたいシステムです。

写真:集合住宅地にある、衣類や靴のリサイクルボックス

・・・・エコタウン、ハンマルビーショースタッド・・・・

ストックホルムには、エコタウンと呼ばれているエリアがあります。湖の街という意味の「ハンマルビーショースタッド」は、水道局、電力会社、ゴミ処理機関が共同で開発したエコサイクルが整えられたエリアです。住民はすべてのエコサイクルの恩恵を受け、暮らしもリサイクルが重視されています。紙、ガラス、プラスチックなどの分別に加えて生ごみの分別もあり、それらはコンポストとして再利用されます。住宅内のキッチンにも分別ゴミ箱が設置され、各家庭には自然処理が可能なゴミ袋が配られます。ゴミを燃焼する際に発生する熱は暖房に利用され、汚水から生まれるバイオガスは、市バスや住宅の調理用のガスとして再利用されています。

写真:地区内住宅のキッチンにある分別ゴミ箱

・・・・セカンドハンドと社会貢献・・・・

ストックホルムにはいくつかのセカンドハンドショップがありますが、中でも品揃えが豊富な「スタッズミッション(Stadsmission)」は、リサイクルと社会貢献を両立しています。恵まれない人々を助けるために設立されたNPOが母体となり、売り上げは若者の学習支援活動や学校運営、ホームレス支援など、社会に役立てるために使われています。ここで売られているものはすべて一般の人々が無償で提供したもので、不要品や子供服など、使わなくなったものを直接お店に持っていきます。不要品の中には、北欧ミッドセンチュリーのファブリックや手編みのポットホルダー、ヴィンテージのリネンなどもあるため、北欧デザイン好きにも人気のショップとなっています。

写真:スタッズミッションで売られているヴィンテージ生地

・・・・リメイク・・・・

セカンドハンドショップの「スタッズミッション」には、これまで数多くのハギレが持ち込まれ、その使い道に困っていました。ある時、そのハギレを再利用した商品の制作をデザイナーに依頼したところ、数枚の生地を組み合わせたショッピングバッグというアイデアが生まれました。この手法が人気となり、「リメイク」というオリジナルブランドが生まれました。その後、古い生地を使ったバッグやポーチ、ファッションや家具などのリメイク商品にまで発展しました。当初からデザイナーを採用したことにより、消費者を魅了するデザイン性の高いリサイクル商品が作り出されています。今では「リメイク」は、社会貢献とクリエイティブを併せ持つブランドとして高い人気を誇っています。

写真:古い生地を使ったリメイクのパッチワーク

山本由香(デザインコンサルタント)

ライター:山本由香(デザインコンサルタント)

1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。

< 前の記事

次の記事 >