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Column from Sweden

北欧の暮らし

第5回
スウェーデン人の気質、日本人との相違や共通性

・・・・スウェーデン人の気質・・・・

スウェーデン人の気質を語る上で、「太陽」に対する思いは最も重要かもしれません。
今年の夏至祭が寒かった分、その後のスウェーデンは珍しく暑い日々が続いており、夜の気温が20度を超えると、熱帯夜と呼んで南国気分を楽しみます。夏休みをたっぷり1ヶ月取る理由は、夏に太陽の光を充分に浴びておかないと、その後の季節を乗り切れないからだそうです。夏の間に充分にリフレッシュされれば、その後の仕事がとてもうまく進むので、夏を堪能しているスウェーデン人に面倒な仕事の話をするのは避けた方がいいかもしれません。夏の楽しみ方といえば、湖での水浴び。人間も自然の一部ととらえている彼らにとって、水鳥たちと一緒に自然の中で泳ぐことは至極当たり前で、プールよりも湖や海で泳ぐことを好みます。

写真:夏らしい天気になると湖に泳ぎに行く。自然に囲まれた湖で気軽に泳げるのもスウェーデンならでは。

・・・・ラゴム精神・・・・

「ラゴム/lagom」という言葉を聞いたことがありますか?スウェーデンでは「ラゴムが最良!」という諺があるほど、スウェーデン人の価値観そのものともいえる言葉です。
ラゴムは「ほどほどに」とも訳され、多すぎず少なすぎず自分にあった「ちょうど良い」(適当に適切な)加減を指します。バイキング時代に仕事を終えてひと休みする時、一杯のお酒が仲間全員に行き渡るように気を配りながら回し飲みした「laget om」(みんなで)が語源と言われています。このラゴム精神のおかげで世の中が丸く収まっていると言っても過言ではありません。ひとりひとりが目立つことなく、強いリーダーシップがあるわけでもないのに、国全体がなんとなくまとまっている。スウェーデンではこのラゴム精神が、人々が平和に暮らせる社会を築き上げているのです。

写真:8月のイベント、「ザリガニパーティー」。乾杯の歌を歌ってスナップスという強いお酒をいただき、仲間との親睦を深める。

・・・・リサイクルに精を出す・・・・

新しいものより古いものに価値を見いだすスウェーデン人は、リサイクルが大好きです。
インターネット上ではBlocketという大人気の売り買いサイトがあり、日用雑貨や家具はもちろん、使わなくなったドアや窓まで売っています。街中にはセカンドハンドショップがたくさんあり、ロピスと呼ばれる蚤の市もあちこちで開催されています。スウェーデン人は倹約家が多く、必要なものがあるとお店に行って新品を探す前に、Blocketやセカンドハンドショップで物色し、なるべく安く手に入れようとします。また、新品よりも人が使ったものに愛着を感じ、そこに少し手を加えることで、自分らしさを表現します。物を大切に使いまわす習慣は、ぜひ見習いたいものですね。

写真:あちこちで開催されるロピス。ものを捨てずに交換したり売ったりして大切に使う。

・・・・わびさびを理解する人々・・・・

スウェーデン人と日本人、実は気質がとてもよく似ているので、地理的な距離がありながらも良好な関係を保っています。
常に相手に配慮する精神は日本人もスウェーデン人も同じです。以心伝心とまではいかないまでも、相手の気持ちをいつも優先します。「わびさび」という日本ならではの感性に魅了されるのも、シンプルで自然の素材を好む、日本人に似た気質を持ち合わせているからかもしれません。ストックホルムには日本の温泉旅館のような「やすらぎ」という施設や、「禅センター」という座禅をする協会があります。「やすらぎ」までの道のりには鳥居のような門がいくつも連なっています。門に塗られている赤い色はファールンレッドと呼ばれるスウェーデンの家を象徴する色で、まるで日本とスウェーデンの融合の証しのように感じられます。

写真:「やすらぎ」に向かう道に連なる赤い門。門はファールンレッドに塗られている。

山本由香(デザインコンサルタント)

ライター:山本由香(デザインコンサルタント)

1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。

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