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Column from Sweden

北欧の暮らし

第37回
スウェーデンの野草と山菜

地球の北の端に位置するスウェーデンでも、4月になると日差しは随分春らしくなります。芽吹いた枝に集まる小鳥の鳴き声が日に日に盛んになり、春の到来を肌で感じる時期です。
冬ごもりの生活から解放された人々は、春の日差しに誘われるように外に出て、森や野原へと繰り出します。そこでは、黄色や白の小さな花をつけた草花が絨毯(じゅうたん)のように地面を覆っています。
「自然享受権」があるスウェーデンでは、誰でも自然に生えている草花を自由に摘む事が許されているので、春の野原や森では、摘んだ花をブーケにしている人をたくさん見かけます。また、カゴいっぱいにイラクサを摘んでいる人にも出会います。スウェーデンの野草の代表であるイラクサは、ビタミンCが豊富で、冬の間のビタミン不足を補うために、遠い昔から薬草として使われてきました。
他にもイワミツバや、ワラビやコゴミ、ツクシもたくさん自生していますが、日本のように山菜としては好まれていないようです。

写真:Vitsippor(ヴィートシッポル)が咲き乱れる森の中


■山菜を紹介したコラムもご覧ください。
http://www.swedenhouse.co.jp/mjuk/column/recipe_1504.html
http://www.swedenhouse.co.jp/mjuk/column/recipe_1604.html

・・・・ストックホルムの桜・・・・

スウェーデンは、日本に比べると、ずっと緯度の高いところに位置していますが、メキシコ湾から流れてくる暖流の影響で、緯度のわりに気温が高く、北海道の気候とよく似ています。
ですから、桜前線が日本の最北に達した頃、ストックホルムでも桜の花が咲きます。
スウェーデンに桜?と思う人がいるかもしれませんが、ストックホルム市の中心にあるKungsträdgården(クングストレーゴーデン)王立公園では、毎年63本の桜が見事に花を咲かせ、ストックホルムの人々の憩いの場となっています。
この桜の木はストックホルムがヨーロッパの文化首都であった1998年に、日本からスウェーデンの王様へのプレゼントとして植樹されたそうです。
春になると、桜の花はいつ咲くのかとみんなが心待ちにし、新聞では開花予報のニュースが載るほど、スウェーデンでも「桜」は春の定番の話題になっています。

写真:クングストレーゴーデンの桜

・・・・Glad påsk! スウェーデンの復活祭・・・・

「Glad påsk! (グラード・ポスク)」はスウェーデン語でハッピー・イースターの意味。復活祭は、本来キリストの復活を祝う行事ですが、スウェーデンでは、むしろ「春」を祝うお祭りとしてとらえられています。
復活のシンボルである卵も、新しい生命が生まれる「春」を象徴しているようです。
Påskris(ポスクリース)といわれる色とりどりの羽根をつけた枝や、カラフルにペイントされた卵、Påskägg(ポスクエッグ)は、どの店のショーウインドーにも飾られ、街は一気に華やぎます。それはまるで「春の到来を喜ぶ人々の心を表すかのようです。
スウェーデンでは復活祭前の木曜日に、ほっぺを真っ赤にそめて、長いスカートとエプロンをつけた「可愛い魔女」に装った子どもたちがヤカンとカゴをもって、お菓子を貰いに歩きます。
この時期のお菓子はPåskgodis(ポスクグーディス)といわれ、卵の形をした砂糖菓子やカラフルなジェリービーンズなどが混ぜられ、卵型の入れ物にいれて売られます。
驚いた事に、復活祭の日はスウェーデン人が1年中で最もたくさんのお菓子を食べる日だそうです!
*2017年の復活祭 Påskdagen(ポスクダーゲン)は4月16日でした。

写真:ポスクグーディス


■Påskgodis(ポスクグーディス)や「可愛い魔女」を紹介したコラムもご覧ください。
http://www.swedenhouse.co.jp/mjuk/column/life_1603.html
http://www.swedenhouse.co.jp/sakitate/club/kosodate/sweden/06.html

見瀬理恵子(イラストレーター)

ライター:見瀬理恵子(イラストレーター)

大阪総合デザイナー学院ファッションデザイン科卒。ペーター佐藤、安西水丸、原田治、新谷雅弘氏に師事。デザイン事務所勤務を経て、フリーランス・イラストレーターとして仕事を始める。1995年ー2000年と2006年から7年間スウェーデンに在住し、娘二人の成人を期に2013年9月に帰国。

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