mjuk

Column from Sweden

北欧の暮らし

第32回
諸聖人の日

秋も深まり、紅葉も終わりを告げる11月は、「諸聖人の日」から始まります。スウェーデン語で「Alla helgons dag」と言い、10月31日から11月6日の間の土曜日がその日に当たります。この日には多くの人々が墓地を訪れます。世界遺産でもあるストックホルムの森の墓地では、花崗岩でできた大きな十字架の近くにたいまつが焚かれ、瞑想の丘にたくさんのキャンドルが灯されます。共同墓地にはリースや花が供えられ、人々が思いを込めて灯した数千個にも及ぶキャンドルが墓地全体を照らします。まるでさざ波のようなキャンドルの光で輝く風景はとても幻想的で、魂がそこここに行き来しているかのようです。「諸聖人の日」から3日間は多くの人々が森の墓地を訪れ、駅や道路に交通規制が敷かれます。通常は公開されていない墓地内の礼拝堂もこの期間は一般公開され、いちばん大きな聖十字架の礼拝堂では演奏会が行われます。
(諸聖人の日は、日本のお盆みたいなものです。お墓に魂が帰ってくると言われています)

写真:「諸聖人の日」の森の墓地

・・・・ホットワイン「グロッグ」・・・・

グロッグは、昔からスウェーデンや欧州で親しまれているスパイス入りのホットワインです。クリスマスによく飲まれますが、身体を温めるために秋から冬にかけても飲まれます。ワインに加えるスパイスはシナモン、カルダモン、ジンジャー、クローブ、スターアニズ、干したオレンジの皮などです。スウェーデンのグロッグの老舗ブランドBLOSSAでは、その年限定のグロッグを発売しています。珍しい味と美しいボトルデザインの限定グロッグにはコレクターもいるほどで、2014年はラベンダー味、2015年はアールグレイ味でした。2016年の「BLOSSA2016」は、クラウベリー(kråkbär)味です。クラウベリーは忘れ去られたベリーと言われ、一般的になじみが薄いのですが、見た目はブルーベリーに似た小さくてまるいベリーです。ボトルのデザインを担当したのはデザイナーのペトラー・ボーネルで、北欧の森をイメージし、クラウベリーと動物たちがアレンジされています。(クラウベリー/crowberry、日本語ではガンコウランです)

写真:BLOSSAが販売するグロッグ

・・・・ガムラスタンのクリスマスマーケットがオープン 11月19日・・・・

11月も後半になると、少しずつクリスマスの準備が始まります。本来はクリスマスから1ヶ月前の日曜日であるアドベント初日から準備が始まるのですが、この時期になると街中は早くもクリスマスモードになります。ガムラスタンのクリスマスマーケットは、ストックホルムで最古のものです。1837年に始まり、1907年から1914年を除いて現代まで続いています。大広場に並んだ赤い小さな木造家屋には、クリスマスのオーナメント、トナカイやヘラジカのスモークソーセージ、手編みのニット帽やミトン、キャンディー、ホットワインのグロッグ、ローストアーモンドなどがところ狭しと並び、訪問客を魅了します。ヨーロッパのクリスマスマーケットは中世からの歴史があり、スウェーデンでは、1523年のガムラスタンの市場が起源と言われています。2016年のガムラスタンのマーケットは11月19日からクリスマスイブまでの期間、毎日11時から18時までオープンします。(クリスマスマーケットの歴史は、ガムラスタンクリスマスマーケットの情報を参考にしています。http://www.stortorgetsjulmarknad.com/)

写真:ガムラスタンのクリスマスマーケット


山本由香(デザインコンサルタント)

ライター:山本由香(デザインコンサルタント)

1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。

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