mjuk

Column from Sweden

北欧の暮らし

第36回
春の兆し、ヴォールテッケン

3月の北欧はまだ冬ですが、日照時間もだいぶ長くなり、日の光にあたたかさを感じることが少しずつ増えてきます。雪が積もっては溶け、地面の土が見えてはまた雪が降り、という気候が続きますが、ある日、足元に白い花が咲いているのに気がつきます。これがスウェーデンの人々が「Vårtecken/ヴォールテッケン」と呼ぶ「春の兆し」です。真っ先に春の訪れを告げるのは、白い花を下向きに咲かせ、まるで雪の化身のようなスノウドロップです。だんだんと、黄色や紫などの色鮮やなクロッカスや雪割草が目に付くようになると、スウェーデンの人々は、草花や虫や鳥をいつどこで発見したかをこぞって報告しあいます。道端で小さな草花をふと見つけた瞬間は、誰かに教えたくなるほど嬉しいものです。ヴォールテッケンは、閉ざされていた冬に終わりを告げる知らせです。そのうち草花や虫たちが自然と目に付くようになると、春はもうすぐそこです。

写真:スノウドロップ

・・・・ワッフルデー/Våffeldagen(ヴォッフェルダーゲン)・・・・

スウェーデンの人たちは甘いものには目がないようで、毎月のように「お菓子の日」が決められています。3月で最もよく知られているのが、25日の「ワッフルデー」です。日本でワッフルというと、ケーキのようにしっとりしたベルギーワッフルを思い浮かべますが、スウェーデンのワッフルはパリッと薄めに焼き上げます。各家庭にはお約束のように鉄でできたハート型のワッフル焼き器があります。焼きたてのワッフルは、粉砂糖をふりかけるだけでも美味しくいただけますが、ジャムや生クリームやフルーツを添えるとちょっと豪華になります。ワッフルデーが3月25日になったきっかけは、聖母マリアがイエスを身ごもった「マリア受胎告知の日」にちなんでいます。その日をスウェーデン語で「vårfrudag/ヴォルフルダーグ」と言いますが、その発音が「Våffeldagen/ヴォッフェルダーゲン(ワッフルの日)」に似ていることで、ワッフルデーになったと言い伝えられています。
スウェーデン風ワッフルのレシピは、12か月のおいしい話でも紹介しています。皆さんもぜひお試しくださいね。
12か月のおいしい話 第12回 Våfflor(ヴォッフロル)スウェーデン風ワッフル
http://www.swedenhouse.co.jp/mjuk/column/recipe_1503.html

写真:生クリームとベリーを添えたワッフル

・・・・ガーデニングフェア・・・・

3月後半から4月前半にかけて、スウェーデン各地ではガーデニングフェアが開催されます。2017年の「ストックホルムガーデニングフェア」は3月24日から26日、「北欧ガーデニングフェア」は4月6日から9日に開催される予定です。冬の間閉ざされていたガーデンでは、春の到来とともに作業が始まります。ガーデニングフェアの開催は、スウェーデンの人々がガーデニングの準備を始める合図にもなっています。会場ではたくさんの球根が売られ、ガーデニングのアイデアを展示するプロのガーデニストたちから、様々なアドバイスを受けることもできます。会場を訪れた人々は、今年はどんな庭にしようかと思いを膨らませます。「北欧ガーデニングフェア」では、毎年、その年のゼラニウムが選ばれます。ゼラニウムはスウェーデンの人にとっては春を代表する花のひとつで、窓辺に飾る鉢として定着しています。2016年は小ぶりで可憐な花をつける「カリエンテピンク」という品種が選ばれました。ここで選ばれたゼラニウムは、フェア会場で販売されたのち全国のフラワーショップにも並び、多くの家の窓辺を飾ります。

写真:北欧ガーデニングフェアのアイデア展示

山本由香(デザインコンサルタント)

ライター:山本由香(デザインコンサルタント)

1998年からスウェーデンのストックホルムに暮らす。2005年に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」の出版を機に、ストックホルムにてswedenstyle社を起業。執筆や日瑞企業のコーディネートをはじめ、スウェーデンデザイン、文化を日本にソーシャルメディア等を使い広く発信中。

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